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テザー問題の影響に関する試算、最大27%ビットコインが下落

テザー(USDT)は、米ドルとの間で交換レートが固定(1テザー=1米ドル)されている仮想通貨だ。

テザー(USDT)が注目されたのは、中国政府による仮想通貨関連の取り締まり強化を受けて、中国人投資家がオフショア・ドルをテザーに交換したことがきっかけだ。香港の仮想通貨取引所を運営するゲートコインの事業責任者、トーマス・グラックスマン氏も「テザー(USDT)のほとんどは、抜け道のための売買」だとコメントしたと一部メディアが報じている。

2018年1月31日、米国商品先物取引委員会(CFTC)が2017年12月6日にテザー(Tether)社と大手仮想通貨取引所のビットフィネックス(Bitfinex)に対して召喚状を送付していたと一部メディアが報じたことから、市場の一部で燻っていた「ある疑惑」が一気に広がった(ビットフィネックスとテザー社の最高経営責任者は同一人物)。

CFTCは「テザー社がペッグ通貨であるテザー(USDT)の裏付けとなるべき、ドル資産を十分に保有していない」という可能性を懸念している。2月6日時点でテザー(USDT)は約22億8000万枚(約2485億2000万円、1ドル109円換算)相当が発行されており、1USDTは1ドルと固定されているため、本来は発行枚数と同程度のドルを持っていなければならない。

これを保有していなければ、ドルの裏づけがないテザー(USDT)を大量に発行していたことになる。

テザー(USDT)がBitfinexに着金した後にビットコインの価格上昇が発生することが多いという観測がある他、テザー社が準備金に関する証拠を公表していないことが疑惑に拍車をかけている。

さて、今回のテザー問題が事実であった場合、どの程度の影響が生じるのかについて簡単ではあるが、試算してみたい。参考までに東京株式市場が価格のピークを付ける過程を見てみよう。1985年に190兆円であった東証1部の時価総額は1989年末に611兆円まで駆け上がった。その間、どの程度の資金が流入したのかを試算している。

試算方法は以下の通り。
・投資部門別売買代金の売り買い差し引きを計算
・信用取引売買代金の売り買い差し引きを計算
・上記の合計を資金流入額とする

上記によれば、バブル期(1985年から1989年まで)に東証1部の時価総額を約421兆円上昇させるのに、わずか20兆円程度の資金流入で足りるということが分かる(1年あたり約4兆円)。この東証1部市場への資金流入と時価総額の上昇関係から、資金流入額に対して20倍の額の時価総額が増加すると仮定。

少々乱暴ではあるものの、テザーの発行枚数は約22億8000万USDT(=22億8000万USD、2月6日時点)であり、これがビットコインに全て流入していたと仮定すると、テザーによって上昇していたビットコインの時価総額は、22億8000万×20倍=456億ドル(≠約5兆円、109円換算)となる。CFTCの動向が報じられる前の1月30日時点のビットコインの時価総額は1701億8300万ドル(約18兆5499億4700万円)となっており、テザーが償還できない場合(=無価値になった場合)、456億ドル/1701億ドル=0.2680(26.80%)が消失する可能性がある。1月30日の終値10,106.30ドル(Market Cap)からだと、約7,377ドルまで下落する計算だ。

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