ニュース

取引所Bitmex,本人確認導入の可能性[FATFガイドライン]

記事のポイント

  • 取引所Bitmex,本人確認導入の可能性
  • FATFによる暗号通貨ガイドライン
  • 取引所での本人確認導入
  • Bitmexのこれまでの動き

暗号通貨デリバティブ取引所として有名なBitMEXで本人確認が導入される可能性が浮上している。暗号通業界の健全な発展のために本人確認などの体制構築が必要とされているが、プライバシー保護や暗号通貨のその魅力を信じるが故に有名な取引所であっても違法にサービスを提供していることは決して少なくない。FATFガイドライン施行は2020年6月。これまでに国際的に暗号通貨関連業者・業界にどのような変化が見られるのか関心が寄せられている。

 

取引所Bitmex,本人確認導入の可能性

暗号通貨デリバティブ取引所として有名なBitMEXで本人確認が導入される可能性が浮上している。これは、Twitter上で暗号通貨関連情報を発信している[I am Nomad( @IamNomad )]氏が「BitMEXが資金洗浄対策や本人確認システム導入のための責任者・技術者を募集している」と発言したことで注目を集めている。実際にBitMEXで資金洗浄や顧客審査などの業務に係る人員を募集していることも確認できている。

 

FATFによる暗号通貨ガイドライン

世界の資金洗浄対策を調査する金融活動作業部会(FATF)は2019年6月、暗号通貨に関する国際的に統一された明確なガイドラインを発表した。このガイドラインでは暗号通貨取引を提供する企業が取引を追跡できるように本人確認を徹底することや規制当局と連携を取ることなどが定められており、既存の金融機関と同様に透明性高く不正取引を防止するための対策を求めるものとなっていた。

ただ、取引所実態としては取引所ランキング上位120に入る取引所の中でも約3分の1は本人確認に関して徹底されておらず、さらに3分の2は本人確認に関する原則も欠如していることが、コンプライアンス企業[CIPHRTRCE]の報告書の中で指摘されていた。既存金融機関においては国内取引では国内ネットワークや金融機関で相互に利用者情報を取引し、疑わしい取引等の監視が行われており、国際取引ではSWIFTがこのネットワークとして機能しているが、暗号通貨業界にこうした「中心的」な管理者は存在せず、それゆえに取引サービスを提供する各業者が利用者情報・取引情報等を取得し、共有することが金融犯罪を防止するに必要不可欠であるとされているのである。

【CiphrTrace報告書,取引所の本人確認の実態[FATFのガイダンス]】でも報じている通り、CIPHRTRACEの報告書によると同社が試験した取引所のうち35%は本人確認が行われていないうえに、本人確認なしに少額のBTC取引が可能な状態になっていたほか、41%は本人確認があるもののセルフィーでの確認などが存在しなかった。本当に機能している「本人確認」が導入されている取引所はまだ限られている状態である。

  • 金融活動作業部会 Financial Adtion Task Force(FATF) 麻薬・賄賂・脱税に係る資金洗浄やテロ資金供与への国際的な対策を協議する国際的な政府機関である。G7を含む35か国と2つの地域機関(欧州委員会・湾外協力会議/合計190以上の国・地域)が加盟している。

 

Bitmexのこれまでとこれから

取引所BitMEXは最大100倍での取引が可能な取引所として一定の人気を誇る取引所である。特にこれまで暗号通貨の魅力として「プライバシーが保護される」ことを挙げ、個々人の取引の自由と秘匿の自由を保護するものと評価していた姿勢が、暗号通貨の「分散型」に魅力を感じていた人から支持されていた。

だが、2019年7月にアメリカの商品先物取引委員会(CFTC)によって「必要な認可を得ずにアメリカ居住者向けにサービスを提供している」として調査が行われ、8月にはイギリスの広告標準局(ASA)によって「誤解を招き、説明が不十分な広告を掲載している」と指摘されたほか、2020年3月には同じくイギリスの金融行動監視機構(FCA)によって「イギリスでサービス・商品を提供するに必要な認可なしに事業を行っている」という警告が行われており、法規制準拠に関しては課題があるとされていた。

今回本人確認導入の可能性が浮上しているBitMEXが今後これまでと変わらずにサービスを提供してくのか、法規制に準拠しサービスを提供していくようになるのか関心が寄せられている。

  • Financial Conduct Authority(FCA) 金融行動監視機構、イギリスすべての金融機関に対して金融行為規制と健全性規制を行う金融監督機関である。英国におけるすべての金融機関を監督するとともに、市場の良好な機能維持・金融サービス取引の公正性を確保することを目的に活動している。イングランド銀行とは独立した存在である。FCAは世界的に厳しい審査・厳格な規定が存在している機構として有名であり、FCAでの認可を得ることは世界的に一定の信頼を得ることを意味するほどのものとなっている。
  • CFTC Commodity Futures Trading Commissionの略称であり、アメリカ合衆国の商品先物取引を監督・監視する政府機関である。商品取引所の上場商品や金利、先物取引全般を監督するとともに、市場参加やの保護を目的に詐欺や市場操作の不正行為追及や市場取引監督を行っている。暗号通貨などを商品とみなしているCFTCは、商品に基づく先物などの金融派生商品に対する管轄権を有しており、アメリカではCFTCが暗号通貨のデリバティブを取り締まっている。

 

まとめ

暗号通業界の健全な発展のために本人確認などの体制構築が必要とされているが、プライバシー保護や暗号通貨のその魅力を信じるが故に有名な取引所であっても違法にサービスを提供していることは決して少なくない。法規制に準拠せず規制を回避しながらサービスを提供する業者も、その理念から規制に準拠したくないが規制に準拠せずにサービスを提供するのにも問題があるとしてサービスを終了する業者も、サービスの継続と利用者保護のために法規制に準拠する業者も様々である。FATFガイドライン施行は2020年6月。これまでに国際的に暗号通貨関連業者・業界に変化が見られる。

 

関連記事

 


参考:BitMEX[AML Operations Manager]

※本記事は暗号通貨関連情報の共有・説明を目的としたものであり、暗号通貨投資を勧めるものではございません。投資を検討する場合には暗号通貨が法定通貨と異なり、価値が保障されているものではないということを理解したうえで、事業内容、金融庁に登録積みであるかなど企業情報をよく確認し、リスクを十分に理解して、自己判断・自己責任で行ってください。

関連記事

  1. 標的型メールの脅威[セキュリティの欠陥ではなく人間の心理を利用]

  2. ゲノム解析サービスで暗号通貨決済[ブロックチェーンと個人情報]

  3. VISAのCEO「仮想通貨は扱わない」

  4. スターバックスのシュルツ会長、新支払いアプリでブロックチェーン活用へ

  5. ステーブルコインEURSの取り扱い開始[HitBTC]

  6. インドの最大の仮想通貨取引所Zebpayでライトコイン上場

PAGE TOP

ニュース

BIS,ウイルスの影響でデジタル決済促進の可能性指摘

ニュース

Binance、プレリリースからVISA削除[取引所の信頼]

ニュース

スペイン、収税強化[暗号資産収益や海外口座資産に対して]

ニュース

改正法施行は5月[利用者保護のための業者に求める情報管理]

ニュース

昨日(4/3)のニュースまとめ

ニュース

都内を中心に脱税スキームが跳梁跋扈[コインの森管理人]

ニュース

電緑、水産庁から調査研究を受託[産業保護のためのブロックチェーン]

ニュース

中国、暗号資産取引に関する注意喚起