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未来投資会議での議論[送金手数料と銀行の収益構造]

記事のポイント

  • 未来投資会議での議論
  • 「第4次産業革命の進展に伴う決済インフラのあり方」
  • 公正取引委員会による手数料調査
  • 日銀による「銀行手数料」への提案

未来投資会議では「新たな成長戦略実行計画策定に向けた今後の進め方」という議題の中で「第4次産業革命の進展に伴う決済インフラのあり方」として、現在の銀行での送金手数料に関する指摘が存在した。「不変の手数料によって技術革新が阻害されている」という公取委と「口座維持手数料を導入していないために割高な都度手数料を設ける必要がある」銀行、金融サービスを大きく向上させるキャッシュレス決済事業者の今後の動きに注目が集まる。

 

未来投資会議での議論

2月7日に行われた未来投資会議では「新たな成長戦略実行計画策定に向けた今後の進め方」という議題の中で以下16分野の議論がなされた。【第4次産業革命に動く日本[未来投資戦略]】で報じたように、人口減少に伴う労働人口減少問題解消のために政府はAIやIoTなどの第4次産業革命と呼ばれる技術を活用するための法規制見直し、技術導入のための取り組みに関する議論を行っている。

  1. スタートアップ企業、オープンイノベーション
  2. 中小企業や低生産性部門の生産性向上
  3. 兼業・副業の促進に向けたルールのあり方
  4. フリーランスなど雇用によらない働き方の環境整備
  5. 学校現場におけるオーダーメイド型教育
  6. 大学教育と産業界、社会人の創造性育成のあり方
  7. デジタル市場への対応
  8. 地域のインフラ維持
  9. キャッシュレス
  10. フィンテック/金融
  11. エネルギー・環境
  12. ゲノム医療の推進
  13. 海洋・宇宙
  14. 次世代インフラ
  15. モビリティ
  16. 農業

この中の[フィンテック/金融]での議論では決済法制の改正を前提に、銀行以外も100万円超の送金を可能にすることや金融仲介法制の整備を通じて一度登録すれば銀行・証券・保険のすべての商品・サービスを扱えるようにするなどの法規制の見直しについて検討が進められた。さらに2019年10月より動きが報じられていた公正取引委員会による「キャッシュレス決済での実態調査」「金融機関の手数料」等の報告を受け、銀行への接続手数料や銀行振込手数料のあり方、多様な事業者同士の安価な少額送金を可能とする決済システムのあり方など「第4次産業革命の進展に伴う決済インフラのあり方」についても議論が行われた。

 

公正取引委員会による手数料調査

2019年10月、日本経済新聞・NHKは公正取引委員会が今月内にもキャッシュレス決済での実態調査を行う方針であることを報じた。これは金融機関がキャッシュレス決済事業者などに対して割高な手数料を要求していないかなどを把握することを目的に行われたものであり、一部で金融機関手数料への指摘が行われていたことから公取委は調査に踏み切った。

12月、当初は既存の金融サービスを提供する銀行が「全銀システム」等含めた決済インフラを独占し、その立場を利用することで新興のフィンテック分野の成長を阻害しているのではないかとされていたが一転。決済インフラを担う銀行ではなく、API分野でのシェアが6,7と高いNTTデータが銀行のコストを圧迫していることか、銀行もフィンテック企業へ高い手数料を求めるという構造につながっているのではないかとされ、公正取引委員会は銀行だけでなくNTTデータやその関係性も調査対象とする可能性が報じられた。ただ、これに対してNTTデータは「API手数料はシステムベンダーの同業と比べて高いわけではない。」としており「銀行としての信頼をシステム障害で落とすわけにはいかない」とするほか「フィンテック企業が魅力的な金融サービスを生み出す保証はない」としていた。

今回の未来投資会議での「決済インフラのあり方」のなかで触れられた「手数料」「全銀システム」についての本格的な議論に関しては3月の公取委による報告書をもとに4月に本格的な議論が行われる予定となっている。

 

銀行の収益構造見直し

公取委が問題視している「手数料」は、全銀システムが稼働した1973年以降不変である。この手数料によって新規参入による金融サービスの技術革新を阻害していることが問題視されている。しかし国内金融機関は「口座維持手数料」というものが存在しない。この手数料が存在しないことで多くの人が口座を保有でき、平等に金融サービスにアクセスすることが可能となっている一方で、金融機関はこのシステムなどのコストを補うために送金手数料などの各サービス利用のための「手数料」を高く設定する必要がある、という現状がある。

「口座維持手数料」という利用者から固定で一定額の収益が得られる構造ではなく、利用者のサービス利用頻度に応じて変化し安定した収益が得られない「都度払い」では、金融機関はサービス継続のために高い手数料を設けることが安全策となっており、現在の体制になっているのである。こうした現状を踏まえ日本銀行は2月10日、[銀行の決済サービスの課金体系に関する考察]のなかで「口座維持手数料」を設けるなどの「定額課金制」を提案している。

公取委による「不変の手数料によって技術革新が阻害されている」という指摘はもっともだが、手数料をただ下げるということではなく手数料を下げると同時に銀行での収益構造見直し、改革を合わせて推進する必要があるとみられている。

 

関連記事

 


  • 参考:首相官邸[未来投資会議 第35回]
  • 日本経済新聞[銀行の送金手数料にメス 公取委「半世紀不変」を問題視]
  • ※本記事は暗号通貨関連情報の共有・説明を目的としたものであり、暗号通貨投資を勧めるものではございません。投資を検討する場合には暗号通貨が法定通貨と異なり、価値が保障されているものではないということを理解したうえで、事業内容、金融庁に登録積みであるかなど企業情報をよく確認し、リスクを十分に理解して、自己判断・自己責任で行ってください。

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