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Coinhive、逆転有罪[県警サイトも有罪に]

記事のポイント

  • コインハイブ、高裁で一審無罪破棄
  • 技術に知識のない者による判決
  • 神奈川県警含めた県警サイトは有罪にならないのか

東京高裁は閲覧者のパソコン端末を無断で使って暗号通貨をマイニングするプログラム(Coinhive/コインハイブ)を設置したとされる男に対し、一審の無罪判決を破棄して罰金10万円の有罪とした。サイトアクセス解析ソフトや動画広告など、閲覧中に自動的に稼働するプログラムは広く存在し、県警サイトもこれを利用している。Coinhiveで有罪となるのであれば法の下の平等を守るため、これらの罪も問われる必要がある。

 

Coinhive、逆転有罪

2月7日、東京高裁は閲覧者のパソコン端末を無断で使って暗号通貨をマイニングするプログラム(Coinhive/コインハイブ)を設置したとされる男に対し、一審の無罪判決を破棄して罰金10万円の有罪とした。

Coinhiveとはウェブサイトに設置するツールであり、サイトにアクセスした利用者のパソコンの処理能力を利用してマイニングを行う。設置者は閲覧者にマイニングを行ってもらうことで、従来のWeb広告などで収入を得るものとは異なる収益獲得につながるとして注目を集めた。しかし神奈川警察はこれを「利用者に無断で意図せぬ動作を指示している」「意図に反する動作を指せるべき不正な指令を与える電磁的記録に該当する」として不正指令電磁的記録保管罪の疑いで書類送検した。

この警察判断に対し「IT技術開発に影響が出かねない」「ウイルスの定義を厳格に定める必要がある」と、問題視されている。ただ今回の公判では栃木力裁判長が「閲覧者に一定の不利益を与えるプログラムと言えるうえ、その表示もない」としてウイルスに該当すると指摘。さらに「プログラムに対する社会一般の信頼を害する犯行で悪質」と批判し、一審の無罪を退けた。

  • マイニング 暗号通貨のシステム、取引システムに参加し、取引データを追記する作業のことである。この作業を行うには膨大な計算を行う必要があり、演算装置・大量の電力が必要とされる。つまり、大量のコストがかかるものとなっているのだ。その見返り・報酬として、新たに発行されたコインを得ることができる仕組みとなっている。報酬として新規コインを得られる仕組みとなっているため、同じ電力量を消費した際、コインの価格が下がっていれば収益は減り、上がれば収益は増えるという仕組みになっている。つまり、マイニングにおいては予測不可能な市場変化に備えて、安定した収益を得るために効率の良い機器を利用すること、安価な電力を得てコスト削減を行うことが重要となる。

 

不正指令電磁的記録保管罪の曖昧さ

神奈川県警は刑法の定める「(所有者の)意図に沿うべき動作を指せず、またはその意図に反する動作を指せるべき不正な指令を与える電磁的記録(ウイルス)」にCoinhiveが該当するとして捜査を行っていた。

しかしこの刑法と解釈では勝手に再生される広告動画や閲覧者の過去の閲覧行動を記録して広告を流すAdSenseまでも、解釈によっては「ウイルス」となってしまう曖昧さが存在する。つまり既存のWeb広告も「ウイルス」に該当し、犯罪行為と判断される可能性が存在する。そしてこれらが現在の判決通り「ウイルス」とされるのであれば、当然「利用者への事前の表示なく」サイトアクセス時にJavaScriptを作動させている県警サイトも「不正指令電磁的記録保管罪」に該当する。

今回の裁判はこうした現在のウイルスの定義が曖昧で、技術者たちが委縮しかねない「不正指令電磁的記録保管罪」の改正による定義の厳格化、技術への理解を求める重要なものとして注目されている。

 

まとめ

現在、ウェブサイトでは広告動画が自動で流れ、広告画像が自動で表示される。しかしこれらは閲覧者・利用者が「見たい」「表示させたい」と、判断・設定し表示させているのではなく、表示なく一方的にプログラムによって自動的に表示されている。つまり、今回の「Coinhive」に限った動作ではないのである。前述の通り「Web広告」で収益を得るというものは一般的に行われており、サイトアクセス解析ソフトや動画広告など、閲覧中に自動的に稼働するプログラムは広く存在する。そしてこうしたプログラムは県警サイトでも活用されているのである。政府含めた行政機関での「技術への理解のなさ」は度々問題視されるが、ここから改善されることが期待されている。

 

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参考:日本経済新聞[閲覧者に不利益なプログラム、ウイルス認定 仮想通貨採掘巡り逆転有罪判決 「定義なお曖昧」指摘も]

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