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麻生大臣、「信頼性」に関する慎重な検討が必要[CBDC]

記事のポイント

  • 麻生財務相「信用性を考える必要」
  • 日本のデジタル通貨への動き
  • Libraに対する麻生氏の反応

麻生太郎財務大臣は24日の閣議後記者会見にて、デジタル通貨発行の可能性に関しては慎重な検討が必要だという認識を示した。同氏はLibraに関して「金融サービス向上の可能性」を評価していたのと同様に、CBDCに関しても利便性向上等の可能性を評価する一方で、「信頼性」にはまだ慎重な検討が必要だとした。

 

「信頼性」に関する慎重な検討

1月24日、日本経済新聞は麻生太郎財務大臣が同日の開かれた閣議後記者会見にて、デジタル通貨発行の可能性に関しては慎重な検討が必要だという認識を示したことを報じた。この考えは21日、日本銀行がスイス、イギリス、スウェーデン、カナダ、欧州中央銀行(ECB)と国際決済銀行(BIS)と共に、中央銀行によるデジタル通貨発行の課題、機能、技術などを共同研究していくことを発表したことに対する反応である。

麻生氏は「今使われているキャッシュは送金の手数料が高すぎるとか手間がかかる」と現在の支払決済に関する課題を指摘。そして中銀のデジタル通貨に関しては「早くて便利、決済が簡単になる」と評価しながら「信用性を考える必要がある」と課題も指摘し、慎重な検討の必要性を述べた。また、同氏は日銀の考えと同様に「現時点で法定通貨として(デジタル通貨を)発行する計画があるわけではない」ともした。

 

Libraに関しても友好的な意見

「早くて便利」とデジタル通貨の利便性を評価した麻生氏は、2019年6月の発表から国際的な注目を集めたFacebookらによるプロジェクト[Libra(リブラ)]に関しても、「きちんとしたものとして機能すれば国際送金の手数料や自由度といった問題点が改善され、金融において非常に大きな意味がある」とその可能性を評価。そして今回の「信頼性」に関して慎重な議論が必要だと指摘したように、利用者の資産保護・個人情報保護など安全性や信頼性での課題を解決することが必要であるとも指摘していた。

同氏は仮想通貨税制の改善を求める意見について「汗もかいていない儲けを優遇するのは、国民感情的にどうか。また技術を育成するために暗号通貨の利用を後押しする必要はあるのか」と回答したことから、暗号通貨・金融サービスのデジタル化に理解がないとされることもあるが、前述の通り金融サービス向上のための技術活用に関しては積極性を見せている。

  • Libra アメリカドルやユーロ、イギリスポンド、日本円といった国際的に信用力のある法定通貨を担保に運用されるステーブルコイン。その価値が突然失われることや急激な高騰なく、比較的安定した価格での利用が可能となっているとされている。ただ、この裏付けとなる資産の管理・価格調整をLibra協会が行うこととなっており、これら協会に加盟している企業らは国際的な影響力を持つ大手企業が名を連ねることから、経済だけでなく金融安定に大きな影響を及ぼすことが危惧されている。また「通貨発行」という国家主権を脅かすものだとして各国規制当局から否定的な発言が行われている。

 

日本のデジタル通貨への動き

【6つの中央銀行とBIS,CBDCに関する共同研究】で報じた通り、日本銀行は他の中央銀行6行と、BISと共にCBDCに関する具体的な共同研究を開始した。日銀はこれまで独自でCBDCの発行に関して中央銀行に求められる機能から、あるいはブロックチェーン技術の課題から、また現行法の課題からなど様々な観点からの論文を公開しているほか、ECBとCBDCに関する技術的な研究も行ってきた。

そして、今回の中央銀行共同研究組織設立によってより具体的な研究が行われCBDC発行の可能性を視野に入れ、自民党は提言策定に動き始めた。これはCBDC発行に伴い必要になってくる法案の検討だけでなく、現行の関連法の見直しも視野に入れたものとなっている。

日銀の見解、麻生氏の指摘通り現時点で法定通貨として、広く一般に利用されるデジタル通貨発行の計画があるわけではないが、CBDC発行に備えた動きが活性化している。

  • 中央銀行デジタル通貨 (Central Bank Digital Currency/CBDC)中央銀行が発行するデジタルコインのことを指す。日銀は「デジタル化されていること」「円などの法定通貨建てであること」「中央銀行の債務として発行されること」の3つの条件を満たしたものをCBDCとしている。資金洗浄・テロ資金供与対策につながることや現金の発行・管理コストが抑えられることなどが注目されているものの、発行量や利用範囲・保有・発行形態など、発行したのちの影響だけでなく、発行するにあたっての議論も多く存在している。

 

まとめ

中央銀行によるデジタル通貨発行の可能性については世界的に検討が進められている。しかし、中央銀行が求められる機能を提供し金融・経済安定に貢献している国においてはCBDC導入によって費用対効果が期待できない可能性や悪影響を及ぼす可能性が高いことなど、国の状態によってCBDCに期待できるものが異なることから「CBDC」そのものに関する議論だけでなく、各国での議論が必要だとされている。

 

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参考:日本経済新聞[中銀デジタル通貨、麻生氏「信用性を考えないと」]

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