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自民、デジタル通貨に関する提言[日銀のCBDC共同研究参加]

記事のポイント

  • 自民、デジタル通貨に関する提言
  • 資金洗浄や個人情報保護を目的に
  • デジタル通貨発行を巡る議論

日本経済新聞は自民党がデジタル通貨発行を視野に提言策定に動き始めたことを報じた。サイバー犯罪対策やデジタル技術への理解・対応などに課題を抱える日本で、デジタル通貨に関してどのような提言が行われるのか関心が寄せられている。

 

自民、デジタル通貨に関する提言

123日、日本経済新聞は自民党がデジタル通貨発行を視野に提言策定に動き始めたことを報じた。【6つの中央銀行とBISCBDCに関する共同研究】で報じたように、日本銀行は他の中央銀行と国際決済銀行(BIS)とともにCBDCに関する共同研究を開始する。自民党はこの動きに対して当調査会や議員連盟の視点から、個人情報保護や資金洗浄対策といった課題に対する提言を行う。

特に自民党はデジタル通貨発行によって盗難や脱税といった金融犯罪を防止が強化される一方で、誰がいつから保有しているのか、どういった取引を行っているのかなどの個人情報が侵害されてしまう可能性を課題の1つとして認識。情報管理の体制だけでなく、情報利用などに関しても個人情報保護法などの既存の関連法令と合わせて見直しを進めていくとしている。また、デジタル化に伴う「サイバー攻撃」への対策、偽造通貨製造・使用への罰則なども改めて検討する必要性があるとしている。

  • 中央銀行デジタル通貨 (Central Bank Digital Currency/CBDC)中央銀行が発行するデジタルコインのことを指す。日銀は「デジタル化されていること」「円などの法定通貨建てであること」「中央銀行の債務として発行されること」の3つの条件を満たしたものをCBDCとしている。資金洗浄・テロ資金供与対策につながることや現金の発行・管理コストが抑えられることなどが注目されているものの、発行量や利用範囲・保有・発行形態など、発行したのちの影響だけでなく、発行するにあたっての議論も多く存在している。

 

デジタル通貨を巡る議論
  • デジタル通貨を巡る議論として、以下の点が掲げられている。
  • 支払い決済の効率向上・コスト削減
  • キャッシュレス化に伴う金融包摂の推奨
  • ブロックチェーン・暗号通貨の誕生
  • 犯罪・脱税の防止

中央銀行が一般の人々に使える支払決済手段として提供している銀行券は基本的に紙技術に基づいている。このため人々が信用リスクのない決済手段(銀行券)を選択すると、保管や輸送、警備など「紙」であるための様々なコストが存在しており、利便性・コストともに改善が必要とされている。これに対して中央銀行がDLTなどの新たな情報技術を活用し、デジタル通貨を発行することで支払決済の利便性・安全性・コストの改善につながるとされている。

キャッシュレス化が進んだ国々では民間によるデジタル支払決済手段が浸透し、民間企業による支払い決済市場の寡占化が問題となっている。これの対策として幅広い人々に信用リスクのないデジタル通貨を中央銀行が発行することで、金融包摂の推進に寄与し得、中央銀行の通貨発行益を安定的に確保できるのではないかとみられている。

さらに「サトシ・ナカモト論文」を通じてブロックチェーンや暗号通貨が誕生。銀行券は「価値」以外の情報を含まず発行主体の中央銀行も誰が保有者かといった情報を把握できないことから匿名性を有しているが、暗号通貨含めたデジタル取引ではこの匿名性に問題を抱える。さらに「価値」の裏付けも存在しない暗号通貨が、決済手段として活用されている点についても金融安定に影響を及ぼすとみられている。

匿名性確保は重要だが、同時に資金洗浄やテロ資金供与、脱税といった金融犯罪の防止のために監視体制強化も求められており、現在の「匿名性を確保した銀行券」から安全確保のために「匿名性を排除した銀行券」への移行も検討されている。

 

CBDCと暗号通貨

CBDCは暗号通貨とは異なり中央銀行がブロックチェーン技術を活用し、価値を保証し発行する。現在のデジタル化に対応した動きである。ただ、暗号通貨は「特定の管理者」が存在せずシステムに管理させ、参加者らが監視を行うことで不正を防止するという分散型の仕組みだが、CBDCでは金融犯罪を防止するために特定の管理者を置き匿名性を排除。中央集権型をさらに強化するためにCBDCを発行しようとする動きも存在している。匿名性を排除する、しないは各国の中央銀行のCBDC設計によって異なるとみられているものの、特定の権力者による経済介入を容易にしてしまうことに危機感を抱く声もみられている。

 

まとめ

自民党はデジタル通貨発行に動く中国への警戒、日本銀行のCBDC共同研究参加から、CBDC発行に備えた提言策定に動き始めた。サイバー犯罪対策やデジタル技術への理解・対応などに課題を抱える日本で、デジタル通貨に関してどのような提言が行われるのか関心が寄せられている。

 

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