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カタール、暗号通貨禁止の可能性[FATFとGCC]

記事のポイント

  • カタール、暗号通貨禁止の可能性
  • カタールと国際的な規制への動き

カタールの金融規制当局であるカタール金融センター(QFC)が暗号通貨取引を禁じる声明を発表したことが報じられた。同国は現在国際的に規制に動いているFATF加盟国ではないものの、FATFの中心となるOECDに加盟しているほかFATFに参加している湾岸協力理事会の加盟国であることから、このFATFのガイドラインに沿い厳格な規制を引くための一時的な禁止措置ではないかとみられている。

 

カタール、暗号通貨禁止の可能性

1月6日、経済メディアInternationalinvestmentはカタールの金融規制当局であるカタール金融センター(QFC)が暗号通貨取引を禁じる声明を発表したと報じた。報道によるとQFCは「暗号通貨サービスは現時点ではQFCの管轄内で行うことが認められない可能性がある」とし、暗号通貨に関連した取引サービスやカストディサービスなどが禁じられるのではないかとみられている。禁止事項としては「通貨の代わりに機能し、デジタル取引または転送が可能であり支払いまたは投資目的で利用できる資産」が盛り込まれており、「現時点では認められない可能性がある」とされているものの、禁止される可能性が非常に高いとみられている。

そしてこの「暗号資産サービス」には暗号通貨と法定通貨あるいは暗号通貨と暗号通貨の取引が含まれているほか、暗号通貨の譲渡、暗号通貨の管理・保管または暗号通貨の発行・販売も含まれており、全面的な暗号通貨サービスの禁止が行われるとみられている。

  • カタール 1916年に英国の保護下に入る。1968年英国がスエズ以東から軍事撤退を行う旨宣言したことにより1971年9月3日、カタールは独立を達成。天然資源に依存した体制からの転換を目指し、産業開発・輸出業育成、教育の充実化、高度な社会福祉制度の見直しを進めている。

 

カタールと国際的な規制への動き

QFCやカタール中央銀行、カタール金融市場当局(QFMA)によって規制が行われている有価証券などの金融商品のデジタル取引は合法のままであるが、暗号通貨サービスに関してはより厳格な資金洗浄規制のために禁止とされている。

これまで明確に法規制整備を行ってこなかった国でも世界の資金洗浄対策を調査する金融活動作業部会(FATF)のガイダンス発表から、加盟諸国はガイダンスに沿った規制整備に動いている。EUではEUに加盟する28ヵ国に対し暗号通貨の資金洗浄・テロ資金供与対策を盛り込んだAMLD5を導入するよう義務付け地域内での犯罪利用防止に動いている。またFATF加盟国ではないウズベキスタンにおいてもこれまで暗号通貨・ブロックチェーン関連に友好的であったのにもかかわらず、暗号通貨取引を禁じる動きが見られている。カタールもウズベキスタン同様にFATF加盟国ではないもののFATFの中心となるOECD加盟国である他、FATFに参加している湾岸協力理事会にも加盟していることから、このFATFガイドラインに沿って行動しているとみられている。

  • 金融活動作業部会 Financial Adtion Task Force(FATF) 麻薬・賄賂・脱税に係る資金洗浄やテロ資金供与への国際的な対策を協議する国際的な政府機関である。FATFへは2019年11月現在OECD加盟国を中心に37ヵ国・地域及び2つの国際機関が加盟している。
  • 湾岸協力理事会(GCC)  正式名称はCooperation Council for the Arab States Gulfだが、Gulf Cooperation Council(GCC)と称されることが多い。1981年にサウジアラビア・UAE・バーレーン・オマーン・カタール・クウェートの6ヵ国によって設立された理事会であり、防衛・経済などあらゆる分野の参加国間での連携・統合を目的としている。設立当時はイラン革命やイラン・イラク戦争など緊張状態にあり、これに脅威を感じた湾岸アラブ6か国が相互に協力していく集団安全保障体制としての色合いが強かった。

 

イスラム教国でのうごき

イスラム金融では、金利・利息が禁じられ、取引相手もイスラム教で禁じられている事業(ギャンブル・豚肉・アルコール等)に関わっていないことが求められる。イスラム教徒の人口増加やイスラム教国家の経済成長、オイルマネーの流入などから、イスラム金融は急速に成長し、注目を集めている。

ただ、暗号通貨に関しては投機色が強くイスラム教の中で「違法」とされることが多い。合法・違法の解釈も宗教家によって異なり明確に法律では禁じていないもののイスラム教教義として言外に禁じられている国もある。ただ、ブロックチェーンに関しては積極的に技術を推進しようとする動きが見られている。

 

まとめ

カタールでは明確に法律で暗号通貨が禁じられることになりそうである。暗号通貨を「詐欺」として禁じる国と、現時点では国際的に要求されている犯罪対策を用意できないために一時的に禁じる国が存在する。カタールが後者であり、段階的に規制が緩和されることが望まれている。

 

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