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南アフリカ、新たな規制[低迷する経済・国際送金への規制]

記事のポイント

  • 南アフリカ、2020年に新たな規制
  • 国際送金規制回避手段としての暗号通貨利用
  • 南アフリカの経済状況
  • 南アフリカの暗号通貨規制

南アフリカ準備銀行(中央銀行)が2020年第1四半期にも暗号通貨に関する新たな規制を施行する方針である。同国の2019年7月から9月の国際総生産(GDP)の実質伸び率は前年比率で-0.6%。国外へ資産を逃そうとする富裕層の国際送金規制回避手段として暗号通貨を利用する動きを封じるための規制とされている。

 

中央銀行、2020年第1四半期に新たな規制

12月2日、南アフリカメディア[BUSINESS REPORT]は、南アフリカ準備銀行(中央銀行)が2020年第1四半期にも暗号通貨に関する新たな規制を施行する方針であることを報じた。この規制は暗号通貨を利用して国際送金の規制を逃れることを禁じるためのものとなっているようだ。

現在同国では国外への資産流出を防ぐため海外送金には上限が設けられている。しかし資産を海外へ移したいと考える富裕層はこの規制回避のために暗号通貨を利用し資産を国外へ移動させている。この事態への対策として中央銀行は規制を施行するのである。

 

南アフリカの経済

12月3日、南アフリカ政府統計局は2019年7月から9月の国際総生産(GDP)の実質伸び率が前年比率で-0.6%となったことを発表。BRICSとして人口増加や経済成長が注目されていた同国だが、2009年より約9年間続いた政権下での汚職・縁故主義によって国内企業だけでなく国営企業も経営危機にあり、国営企業が多くの債務を抱えていることから国家財政も圧迫している状態となっている。

2008年の世界金融危機後、投資・輸出の不振が続き経済成長率は伸び悩んでいたが2010年には3.1%、2011年には3.5%と上昇。しかし2015年以降成長率は低迷し、政府債務が増加したことから格付け機関からの評価は急落。また失業率が約30%と大きな社会問題となっている。こうした経済状況の中で富裕層はリスクを避けるために資産を国外へ逃そうとし、政府はこれを止めようとする。そのため外貨交換に上限が設けられたり国際送金に制限がかけられたりといった措置が取られるのである。

  • BRICS アメリカ証券会社ゴールドマン・サックス(GS)が2003年10月に発表した投資家向け報告書で「豊富な国土・天然資源・人口」をもち、今後の成長が期待できるとされた新興国。GSはSにあたる南アフリカを含めていなかったが近年では含まれる。BRICSは各地域での大国として成長しているほか、現在のアメリカ一極支配からの自立性を高めようと国際政治面での影響力も増しつつある。

 

南アフリカの暗号通貨規制

11月19日、南アフリカ大手金融機関FirstRand Bank(FNB)は、暗号通貨取引所への金融サービス提供を中止することを発表。現在同国においては暗号通貨を禁止する法律は存在しないものの、適切に取り締まる規制もどのように国が判断しているのかの見解・定義も不明瞭な状態であることをサービス提供中止の理由として挙げていた。

銀行口座の普及率が90%以上を超え、金融サービスを容易に受けることが可能な日本においては想像することが難しいが、新興国ではこの銀行口座普及率が50%以下、特にアフリカでは20%未満の国も多く存在しており、世界人口の70%は金融機関にアクセスできていない状態である。そうしたなかで銀行やATM・窓口といった物理的なインフラ整備を必要とせずに、銀行口座を持たない人でもスマホのショートメッセージ(SMS)で手続きや本人確認を行うことで金融取引を行うことが可能な暗号通貨は、非常に重要なインフラとなりつつあるのである。

前述の通り、南アフリカでは2009年から9年続いた政権下で汚職・縁故主義がはびこっており、国民の政府への信頼は失墜している。こうしたなかで金融サービスに関しても同様に信頼度が低い状態であり、暗号通貨の利用は徐々に広まりつつある。今回中央銀行が導入するとしている規制は「国際送金の規制逃れ」に暗号通貨を利用することに対するものであり、利用そのものが禁じられるわけではないとされているが、今後の同国の規制動向に関心が寄せられている。

 

まとめ

今回報じられた南アフリカの中央銀行による新たな規制はあくまで「国際送金規制回避手段として暗号通貨を利用しようとする動き」を規制するものであり、暗号通貨そのものを規制する者ではないとされている。ただ、同国では暗号通貨関連の明確な法規制が存在しないことから暗号通貨関連企業へ金融サービスの提供を中止する金融機関も存在しており、インドのように明確な定義が存在しないまま規制が行われるのではないかと危惧する声もみられている。

 

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