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デジタル通貨に動く世界[自然災害の多い日本・システム]

記事のポイント

  • 「現時点でデジタル通貨発行計画はない」
  • デジタル通貨に動く世界
  • 研究進めるものの発行に関しては消極的な日本

参議院財政金融院会にて日本銀行の黒田総裁は「現時点で、デジタル通貨発行の予定はない」とした。中国ふくめたBRICS諸国、アメリカドルからの脱却を試みる国においてはこのデジタル通貨発行計画が積極的に行われている。しかし日本においてはデジタル化通貨発行に伴う金融・経済への影響が未知数であることなどから、CBDCについては消極的である。

 

「現時点でデジタル通貨発行計画はない」

1119日、参議院財政金融院会にて日本銀行の黒田総裁は「現時点で、デジタル通貨発行の予定はない」とした。中国においては3地域で大口の現金取引制限を試験的に実施することを発表。中国人民銀行が「CBDC導入のための必要な準備が整った」という発言行ったり、BRICS諸国が一強のアメリカドルからの脱却を目的に貿易取引用の共通デジタル通貨発行検討を行ったりと様々な動きが見られているものの、日本ではデジタル通貨に関しては消極的な姿勢を見せる。

ただ、日銀もデジタル通貨や発行に必要な技術研究、発行した際の影響、懸念点などの研究を欧州銀行と共同で進めており、この発言は「現時点」でのものとなる。10月に同総裁がアメリカで行った講演ではデジタル経済が「利便性を飛躍的に向上させる」と肯定的な見解を示した。しかしそれと同時に電子化することで、これまで同様の金融犯罪への対策だけでなくシステムトラブルに対する対策が求められると指摘。こうした指摘から、自然災害が多く停電リスクも存在する日本でのデジタル通貨発行は相当にハードルが高いのではないかと予想されている。

また、Facebookらが主導する暗号通貨プロジェクト[Libra(リブラ)]によって注目を集めた[ステーブルコイン]に関しては金融政策に影響を与える可能性について懸念を示し、リスク管理など適切に審査・判断し規制を課せる体制が必要だとした。

  • 中央銀行デジタル通貨Central Bank Digital Currency/CBDC)中央銀行が発行するデジタルコインのことを指す。日銀は「デジタル化されていること」「円などの法定通貨建てであること」「中央銀行の債務として発行されること」の3つの条件を満たしたものをCBDCとしている。資金洗浄・テロ資金供与対策につながることや現金の発行・管理コストが抑えられることなどが注目されているものの、発行量や利用範囲・保有・発行形態など、発行したのちの影響だけでなく、発行するにあたっての議論も多く存在している

 

ステーブルコインへの各国の動き

11月、欧州連合(EU)はステーブルコインの規制策定のための検討を実施。特にドイツにおいては「通貨発行の国家主権を脅かす」として法定通貨を担保とするステーブルコインに関しては厳しく規制を設ける姿勢を示している。ステーブルコインに懸念を示した黒田総裁の指摘通り、現時点で「ステーブルコイン」を明確に定義し規制できる法律は日本に存在しない。日本で「仮想通貨」は以下の性質を持つ財産的価値を持つものであると改正資金決済法によって定義されている。

  • 不特定のものに対して、代金の支払いなどに使用でき、かつ法定通貨と相互に交換できる
  • 電子的に記録され移転できる
  • 法定通貨または法定通貨建ての資産ではない

しかしながらステーブルコインは上記の「法定通貨または法定通貨建ての資産ではない」という条件を満たさない。このためステーブルコインは仮想通貨に該当しない。こうした状況から、新たに「電子記録移転(セキュリティトークン)」のようにステーブルコインに関しても新たな定義が設けられるのか、既存の法規制に当てはめるのか注目が集まっているのである。

  • ステーブルコイン Stablecoinはその名の通り、価格が安定したコインとなっている。法定通貨を担保とし、価値を担保しているものや他の暗号通貨と連動しているもの、スマートコントラクトで発行しているものなど様々な種類がある。暗号通貨の銀行口座を介さずに送金ができるメリットや法定通貨同様価格が安定しているメリットと、法定通貨と暗号通貨の利点を併せ持ったものとなっている。

 

まとめ

日本ではキャッシュレス決済普及に向けた還元制度実施などで「現金以外」での決済方法を推進している。国際通貨基金(IMF)が指摘するように利便性・コスト削減などから「将来的」にはデジタル通貨導入が進むと予想されているが、現時点ではセキュリティ対策やすべてをデジタル化したうえでそれを支えるシステムの管理など課題・懸念点があり、積極的に進める国と消極的な国で二分される。特に自然災害の多い日本においては、システムを暗転して運用できるよう万全の対策が必要だとされている。

 

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  • 参考:参議院[財政金融委員会]
  • 日本銀行[通貨及び金融の調節に関する報告書 参議院財政金融委員会における概要説明]

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