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イラン、違法マイニング取り締まり強化へ

記事のポイント

  • 違法マイニング取り締まり強化へ
  • イラン、報告者に対し報酬金
  • イランの規制

イラン政府は同国内で必要な認可を取得せずに違法なマイニングを行っているのを見つけた者に報奨金を与える方針であることが明らかとなった。マイニング業者への電気料金やマイニング可能時間など、マイニング産業への明確な法規制整備に動いているイランでは、違法な業者を取り締まるために、報告者に対して報酬を与える。

 

違法マイニング取り締まり強化へ

1113日、イラン政府は同国内で必要な認可を取得せずに違法なマイニングを行っているのを見つけた者に報奨金を与える方針であることが明らかとなった。報酬としては損害を受けた電力の損害賠償の最大20%を受け取れる。

現在イランではマイニングは正式な産業として認可されており、マイニング業を行うには政府への登録が義務付けられている。ただ、同国は現在アメリカからの経済制裁を受けており、電力供給は不安定化が進んでいる。そのため同国では一般家庭への電力供給を安定させるために、マイニングを行うために利用する電力価格を国内一般向け価格より5割割高の価格で提供し、マイニングによる過剰消費を抑制。また、電力消費が増加する時間帯ではマイニングの禁止などの規制を設けている。

ただ、これまでそうした規制を受けずにマイニングを行ってきたものの中には、この規制を受けないように登録申請を行わず違法にマイニングを行う者もいる。そうしたものの取り締まり強化のために政府は、違法者発見・報告に対して報酬金を与える。

  • マイニング 暗号通貨のシステム、取引システムに参加し、取引データを追記する作業のことである。この作業を行うには膨大な計算を行う必要があり、演算装置・大量の電力が必要とされる。つまり、大量のコストがかかるものとなっているのだ。その見返り・報酬として、新たに発行されたコインを得ることができる仕組みとなっている。報酬として新規コインを得られる仕組みとなっているため、同じ電力量を消費した際、コインの価格が下がっていれば収益は減り、上がれば収益は増えるという仕組みになっている。つまり、マイニングにおいては予測不可能な市場変化に備えて、安定した収益を得るために効率の良い機器を利用すること、安価な電力を得てコスト削減を行うことが重要となる。

 

イランの規制

前述の通り、イランではアメリカからの経済制裁を受けている。これはアメリカが現在の[イラン核合意]に致命的欠陥があるとして合意から離脱し、20188月から再開されたものとなっている。また、20199月のサウジアラビアの石油施設攻撃にイランが関与した可能性が高いことから、これまで合意存続のためにイラン寄りの発言をとっていた欧州諸国も非難声明を上げ、イランへの制裁は厳しくなりつつある。そうした中で、イランはベネズエラ同様に独自暗号通貨発行計画を掲げ、独自のネットワークを構築することでアメリカからの排除を受けずに取引が可能な環境整備を進めている。

  • 20184月 中央銀行、暗号通貨取引の禁止を発表
  • 20189月 暗号通貨マイニングが正式な産業へ
  • 20191月 中央銀行、暗号通貨に関する規制草案発表
  • 20192月 金を担保とした独自通貨[PayMon]発表
  • 20197月 マイニング電力価格は一般向けの5割増し価格での販売方針
  •        中央銀行「暗号通貨取引は違法」と声明発表
  • 20199月 マイニング業者への登録制度案

独自暗号通貨の開発だけでなく、暗号通貨に関する法規制整備や関連するマイニング産業の定義など整備を進めるとともに、ロシアやアルメニアとブロックチェーン協定を交わし同分野への投資・研究開発を進めている。

  • イラン核合意 正式名称は包括的共同行動計画(/JCPOA)。合意内容はイランが濃縮ウランや遠心分離機を大幅に削減し、それを国際原子力機関が確認したのち、見返りとしてイランへの経済制裁を段階的に解除していくというものである。実際にこの合意後イランは合意事項を遵守していることが確認され、機器の大幅削減などが盛り込まれ世界緊張度は緩和したが、各能力を維持した状態であることには変わりがなく、トランプ大統領は「致命的欠陥がある」と非難し、離脱した。
  • サウジ施設攻撃 2019914日、サウジアラビアの石油施設に無人機10機による攻撃が行われた。攻撃にはイラン製の兵器が使用されたことが判明しているものの、イランが直接的に関与しているのかは明らかになっていない。この攻撃後、サウジ・UAEがアメリカに軍事支援を求めたことで米軍は16年ぶりにサウジに駐留することとなり、中東情勢の緊張度が劇的に高まった。また、サウジが世界最大級の産油国であることから、世界経済に影響を及ぼすとされている。

 

まとめ

マイニングにより電力供給が不安定化し、制限を設けるという国はイランのほかにも電力料金が安価である国・地域で多くみられている。ただ、同国においてはそもそも制裁の影響で電力供給が不安定化しつつあることから、この違法マイニングへの対応は急務であるとみられる。ただ、同国では独自通貨での経済制裁回避を目標としているため、その要となるマイニングの禁止はないとみられている。

 

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参考:PRESSTV[Iran offers bounty for exposing illegal cryptocurrency mining]

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