記事のポイント
- 世界180種の法定通貨に対応
- 世界大手取引所Binance
- 法定通貨の価格変動
世界的大手暗号通貨取引所Binance(バイナンス)は、取引サービスにおいて世界中の法定通貨に対応する計画を発表した。法定通貨の取り扱いについて積極的な姿勢であった同取引所はいよいよ全法定通貨に対応するための準備を進める。
世界180種の法定通貨に対応
シンガポールで開催されたミートアップにて、世界的大手暗号通貨取引所Binance(バイナンス)は、取引サービスにおいて世界中の法定通貨に対応する計画を発表した。すでに同取引所では、ユーロやナイジェリア・ロシア・カザフスタンの法定通貨対応を発表してきたBinanceだが、今回のサービス提供によってより多くの法定通貨を利用した暗号通貨取引が可能となり、取引の流動性も向上すると期待されている。
- Binance マルタに拠点を構える暗号通貨取引所。世界的に取引サービスを提供しており、取り扱っているコインの多さ、問題発生時の対応の速さや良さから高い信頼を得ている取引所である。同取引所による分散型取引所(DEX)の開設や先物取引所の開設、アメリカ市場特化型の取引所開設等々、用途や需要に合わせた取引所の構築に注力しているほか、DEX流動性向上のための独自通貨BTCBの発行やイギリスポンドと連動したステーブルコイン発行計画などを予定している。
全法定通貨への対応
2018年9月に開催されたCoindesk主催のカンファレンスで、同取引所CEOであるCZ氏は「2019年中に法定通貨と暗号通貨の取引所を各大陸に2つずつ開設したい」と暗号通貨の取り扱いだけでなく法定通貨の取り扱い意欲に関しても明らかにしていた。これは暗号通貨を普及させるためには、どの法定通貨であっても取引可能な場を設ける必要があると同氏が考えているためである。暗号通貨が世界的に利用可能になりつつあるものの、広く普及することを考えるのであれば、取引が盛んな地域の法定通貨だけでなく各国の法定通貨との取引に対応することが必要であると訴えてきた。
そうした取り組みを進めてきたBinanceが世界に存在する全法定通貨に対応する計画を立ち上げることに好意的な意見が多くみられている。ただアルゼンチンやベネズエラのように自国通貨が暗号通貨以上に不安定な国も多く存在しており、各国法定通貨に対応してもそうした価格変動などの問題から、流動性向上への影響は限られるのではないかという見方も存在している。
Paxosと提携するBinance
また、Binanceはステーブルコインを発行するPaxos(パクソス)と提携し、Paxos利用者は2019年5月から利用できたサービス[Fiat Gateway]を実装する。これは利用者がドルとステーブルコインを1対1で交換可能とするサービスである。今回BinanceはAPIを統合することによって、Binanceでのサービス利用を可能にした。
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