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ブロックチェーン投票の課題

記事のポイント

  • ブロックチェーン投票、企業や行政で
  • 国内でのブロックチェーン投票への動き
  • ブロックチェーン技術の活用と課題

アメリカで選挙関連慈善活動を行う非営利団体Tusk Philanthropies(TP)はブロックチェーン技術を基盤とした投票アプリの試運用を行う。こうしたネット投票でブロックチェーン技術を活用する動きはアメリカで活発だが、同時に同技術が解決した課題とそうでないものも存在する。

 

ブロックチェーン投票、企業や行政で

1018日、アメリカで選挙関連慈善活動を行う非営利団体Tusk Philanthropies(TP)はブロックチェーン技術を基盤とした投票アプリの試運用のため、行政機関と提携し、海外で勤務している現役軍人、その家族向けに活用することを発表した。アメリカでは地方選挙時の不在者投票や予備選挙でブロックチェーン技術を活用した電子投票プラットフォーム開発・導入といった動きが見られていた。

TPが開発する投票アプリでは顔認証で本人確認を行い、身分詐称などを防ぎながらブロックチェーンで投票記録を管理するという透明性・セキュリティ性ともに兼ね備えたものとなっている。

  • ブロックチェーン技術 取引履歴を暗号技術によって過去から一本の鎖のようにつなげ、取引履歴・情報を正確に維持しようとする技術であり、P2Pネットワークを利用することで中央管理者を必要とせずにシステムを維持することが可能なものとなっている。分散され、中央管理者がいないため、データの改ざん・破壊に強いという特徴のほか、サーバーのダウンや中央管理者による不正にも強いものとなっている。

 

国内でのブロックチェーン投票への動き

日本においてもこうしたブロックチェーン技術を投票で活用しようとする動きはみられている。茨城県つくば市においては昨年からブロックチェーン技術を活用したネット投票を行っている。昨年はパソコンのみの対応となっていたが、今年はスマホでの投票にも太陽したほか、併せて顔認証システムも導入した。

そのほかにも20196月、アステリア株式会社が三菱UFJ信託銀行の協力を得、議決権投票システムにブロックチェーン技術を導入。オウケイウェイヴはブロックチェーン技術を活用した電子投票システムを開発するなどの動きが見られている。

ネット投票での課題だった投票内容の改ざん防止対策となったが、不正防止には課題が残る。ただ、投票がネット上で行われることで、投票期間中の票数の動きをリアルタイムで確認できるようになり、一票の動きがわかることで投票に参加する人も増えるのではないかという期待もある。

 

ブロックチェーン技術の活用と課題

ブロックチェーン技術は取引記録を過去から一本の鎖のようにつなげ保管する技術であり、そのためどこか一部を改ざんしようとするとそこから後へ続く記録との整合性が取れなくなり、それ以降の記録をすべて書き直す必要があること、それらの行為をそのチェーンを閲覧することのできる誰にも見つからずに行う必要があることから技術的に困難であるとされている。

その耐改竄性の高さから商取引の透明性を確保するためや政治の透明性向上のため活用を進めようという動きが世界的にみられている。LVMHのようなブランドの真贋を証明するためのものはもちろん、ダイヤモンドなどの宝石が紛争地域で採掘されたものでないかどうかに、コーヒーが重要な輸出品であるエチオピアでは農家から最終製品に至るまでに汚職がないかの監視に、ブロックチェーンを活用しようという動きがある。また、このほかに募金活動や慈善団体の活動などの透明性証明のために利用されることも増えつつある。その中の1つとして投票に利用しようとする動きもある。

ただし、ブロックチェーン技術そのものにその情報が本物であるかどうかを精査する能力はない。そのため身分を詐称して投票を行いその記録が残れば、そのブロックチェーンにおいてはその情報が「正しいもの」となってしまう。ブロックチェーンは記録を改ざんされないという強みがあるものの、改ざんされた情報をただすことも同様に困難となっている。

そのため、同技術をうまく活用するために顔認証や虹彩認証といった生体認証で本人確認を行うなどのサポートが必要だとされている。

 

まとめ

ブロックチェーン技術は情報を保管するに長けた技術となっているが、それは正しい情報だけでなく、誤った情報も同様に保管してしまう欠点が存在する。そこを補うために不正が行われないよう近年精度向上が目覚しい生体認証技術と組み合わせることやAIで行動監視を行うことが多いのである。

 

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