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黒田総裁、アメリカで講演[新興国でのデジタル経済]

記事のポイント

  • 黒田総裁、アメリカで講演
  • 新興国で発展するデジタル経済
  • デジタル経済におけるリスク

日本銀行の黒田総裁はアメリカで開催された新興国の経済について議論するフォーラムにて講演を行った。同講演は[新興国の持続的発展に向けて]と題されたものであり、減速しつつある世界経済脳時とともに新興国での経済発展に関する内容となっている。

 

黒田総裁、アメリカで講演

1020日、日本銀行の黒田総裁はアメリカで開催された新興国の経済について議論するフォーラムにて講演を行った。この中で総裁はデジタル経済が新興国で急速に普及していることから、大規模なシステムトラブルやサイバー犯罪などといったリスクに対する規制の必要性を述べた。また同時に、G20での議論の中でも注目されていた暗号資産含めたデジタル通貨に関しては「あくまで民間での国際送金などの金融サービス効率化の手段の1つとして考えているのであって、具体的に検討がなされているわけではない」とデジタル通貨に関する過度な期待を否定した。

 

新興国で発展するデジタル経済

同講演の中で黒田総裁はデジタル経済について「利便性が飛躍的に向上する」と中国を例に評価したうえで、大規模なシステムトラブルや個人情報保護、資金洗浄や脱税、テロ資金供与などこれまで存在している金融犯罪への対策も強化していく必要があるとした。

特に新興国でのデジタル決済の動きは凄まじい。新興国では銀行口座を保有している人は多くない。こうした従来の金融サービスでは金融機関窓口やATMといった物理的なインフラ整備が必要不可欠であり、そうした窓口やATMを整備できる栄えた場でしか金融サービスを満足に受けられないためだ。しかしながらデジタル経済においてはスマートフォン1台で、これまでの金融サービスを受けられなかった方も簡単に利用できるほか、従来の金融サービスよりも早く安く安全に利用できるという利点を持つために、まだ金融・行政が整備されていない新興国では非常に魅力的な技術と普及がすすんでいるのである。

さらに、前政権の汚職や賄賂などで失った政府や金融機関は国民の信頼を取り戻すために、積極的に透明性高いブロックチェーンを採用した金融インフラを構築しようとする国も存在している。こうした積極的な動きは新興国を効率的に成長させる手助けになると期待されているのである。

  • ブロックチェーン技術 取引履歴を暗号技術によって過去から一本の鎖のようにつなげ、取引履歴・情報を正確に維持しようとする技術であり、P2Pネットワークを利用することで中央管理者を必要とせずにシステムを維持することが可能なものとなっている。分散され、中央管理者がいないため、データの改ざん・破壊に強いという特徴のほか、サーバーのダウンや中央管理者による不正にも強いものとなっている。

 

デジタル経済におけるリスク

G20での議論の中でもデジタル通貨発行に関しては金融サービスの利便性向上・コスト削減といった恩恵がある一方で、経済・金融安定に大きな影響を与える可能性やこれまでの監視体制では対応しきれないなどといった懸念点が多く指摘されていた。これと同様に、デジタル経済においても、すべてを電子化することで大規模なシステムトラブルが起きた際の対策・規制や年々脅威を増しているマルウェア対策などの重要性が指摘されている。

日銀の黒田総裁は「当局はリスクに適切に対応しながら、新技術の恩恵を最大限に引き出すよう努めていく必要がある」とし、新技術に見合った新たな規制を策定する必要性を説いた。

 

まとめ

世界経済は減速しつつある。アメリカ・サプライ・マネジメント(ISM)が発表した20199月の製造業景況感指数は10年ぶりの低水準を記録し、1015日に国際通貨基金(IMF)が世界経済見通しで今年の成長率を3.0%へ下方修正した。こうした中でこれまでのインフラ投資を抑え、新技術を採用しながら急速に発展していく新興国に関心が寄せられているのである。

  • 国際通貨基金  International Monetary Fund(IMF)は、1944年の連合国国際通貨金融界で創設が決定され、1947年に業務を開始した国際機関である。国際通貨及び金融システムに関する諸問題をIMF総務会に報告・勧告することを役割としており、加盟国の為替政策の監視や加盟国に対する融資を行うことで国際貿易の促進や加盟国の国民所得の増大、為替安定などを図っている。年に1回秋頃に世界銀行と合同で年次総会を開催している。

 

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参考:日本銀行[新興国の持続的発展に向けて]

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