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SBI,NEC合弁会社設立[資金洗浄やテロ資金供与対策]

記事のポイント

  • SBI,NEC合弁会社設立
  • ブロックチェーン技術を活用したセキュリティ
  • 金融分野でのセキュリティ
  • NECのブロックチェーン分野での動き

SBIセキュリティ・ソリューションズ株式会社(SBISecSol)と日本電気株式会社(NEC)は、分散型台帳技術を活用した本人確認、資金洗浄・テロ資金対策や次世代認証等の金融機関等向けソリューション事業を展開する合弁会社[SBIデジトラスト株式会社]を設立したことを発表した。SBIは金融分野、フィンテックに強みを持ち、NECは技術に強みを持つことから一定の需要があると予想されている。

 

SBI,NEC合弁会社設立

1016日、SBIセキュリティ・ソリューションズ株式会社(SBISecSol)と日本電気株式会社(NEC)は、分散型台帳技術を活用した本人確認、資金洗浄・テロ資金対策や次世代認証等の金融機関等向けソリューション事業を展開する合弁会社[SBIデジトラスト株式会社]を設立したことを発表した。同社では、分散型台帳技術を活用して不正取引や取引情報の改ざん、取引のなりすましなどを防止するシステムを開発していく。前述の通り、金融機関向けが主となるが、一般事業会社にも販売を行っていく方針である。

  • ブロックチェーン技術 取引履歴を暗号技術によって過去から一本の鎖のようにつなげ、取引履歴・情報を正確に維持しようとする技術であり、P2Pネットワークを利用することで中央管理者を必要とせずにシステムを維持することが可能なものとなっている。分散され、中央管理者がいないため、データの改ざん・破壊に強いという特徴のほか、サーバーのダウンや中央管理者による不正にも強いものとなっている。

 

金融分野でのセキュリティ

日本では201811月に犯罪収益移転防止法の施行規則の一部改正がされ、金融口座開設時等の本人確認がネット上完結できる新たな方法が追加されたほか、国際的な政府間会合のFATFが、日本を含む世界各国・地域、機関に対して、資金洗浄やテロ資金供与対策に関する国際基準となる「FATF勧告」を新たに提言し、日本を含む世界中の金融機関は本勧告を順守するための対応・措置の必要に迫られている。また、国内で盛んになっている暗号通貨取引や送金業への規制緩和、政府のキャッシュレス促進政策と、国内で変化する金融サービスに合わせた強固なセキュリティ機能が求められているのである。

今回のSBINECの合弁会社設立はこうした背景・需要に応じて行われたものとなっており、SBIの国際的で金融分野に広く精通している視点とNECの持つ生体認証やAI,ブロックチェーンといった最先端技術への知見を活かして高度なセキュリティ体制の構築を目指していく。

  • 日本電気会社(NEC) パブリック事業では国内外の政府・官公庁・公共機関向けにデータ分析技術などの社会ソリューションの提供を行い、エンタープライズ事業では製造業・流通・サービス業・金融業などの民需向けにIoT/AIを中心としたITソリューションの提供、テレコムキャリア事業では通信事業者向けネットワーク構築に必要な機器・運用管理のための基盤システムなどを提供、システムプラットフォーム事業では端末およびネットワーク機器、コンピュータ、ソフトウェア、サービス基盤まで、ビジネス向け製品や、これらをベースとした統合型のプラットフォームを提供している。

 

FATFのガイダンス

SBINECの合弁会社が提供するセキュリティサービスは、金融機関だけでなく仮想通貨交換業者や他の一般事業会社も利用できる仕組みとなっている。20196月にFATFによって新たなガイドラインが発表され、FATF加盟国らはこれが施行される20206月までに法規制を整備することが求められるほか、関連企業らも新たな法規制に準拠する態勢を構築する必要がある。そうしたこれまでより資金洗浄やテロ資金供与対策といった資金の不正利用への取り締まり強化に動いていく中で、同社のサービスは需要があるとみられる。FATFが公表したガイドラインでは暗号通貨関連事業者も現在の金融機関同様の規制を課すべきだとされ、送金者の名前や送金に利用されたウォレットアドレス、送金者の個人情報、受金者の氏名、ウォレットアドレスといった取引に係わる情報を把握しておく必要などが求められている。そうした中で、今回のサービス発表は今後対応が急がれる企業の支えとなるとみられている。特に、SBIが金融に強みを持つことから、同分野での信頼度も高いとみられている。

  • 金融活動作業部会 Financial Adtion Task Force(FATF) 麻薬・賄賂・脱税に係る資金洗浄やテロ資金供与への国際的な対策を協議する国際的な政府機関である。G7を含む35か国と2つの地域機関(欧州委員会・湾外協力会議)が加盟している。

 

NECのブロックチェーン分野での動き

今回SBIと合弁会社設立を発表したNECは、8月に国連世界食糧企画(WFP)とデジタルIDによる食糧支援の受益者管理システム[SCOPE(スコープ)]に関する技術パートナーシップを締結しているほか、通信技術や生体認証技術に関する知見を多く有する企業である。特に、生体認証においては、指紋認証や瞳の虹彩認証、声紋認証、耳音響認証、筆跡認証など身体や動作の特徴から、個人の認証を行う生体認証技術に関しても強みを持っており、この生体認証技術とブロックチェーン技術を組み合わせることでより精度が高く安定して利用できる認証システムを構築することができるのではないかと期待されているのである。

 

まとめ

日本においても、キャッシュレスや金融サービスのデジタル化促進の動きが見られ、このデジタル化に合わせたセキュリティ対策の更新・向上が求められている。警察庁が7月に公表した白書では2018年に摘発した資金洗浄事件は511件と過去最多となっていることが確認されている。日本は世界的に見ても資金洗浄・テロ資金供与対策が甘いとされており、FATFから国際的に名指しで非難されている。そうした日本国内企業らがデジタル化に合わせて適切なセキュリティ体制を構築することが急務となっているのである。

 

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参考:SBIセキュリティ・ソリューションズ株式会社[SBIセキュリティ・ソリューションズとNECによる、本人確認、AML/CFT等の金融機関等向けソリューション事業を展開する合弁会社設立のお知らせ]

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