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SIXグループでIDO計画[スイス当局の規制]

記事のポイント

  • SIXグループでIDO計画
  • 証券のデジタル化
  • スイスの規制当局

スイス金融市場監査局(FINMA)規制下で、スイス大手証券取引所を運営するSIXグループのSIX Digital Exchange(SDX)は、Initial Digital Offering(IDO)を支援するために、金融機関によるコンソーシアムを設立。2020年にSDXのプラットフォームで発行されるセキュリティトークンを利用したIDOを行う予定である。

 

SIXグループでIDO計画

スイス金融市場監査局(FINMA)規制下で、スイス大手証券取引所を運営するSIXグループのSIX Digital Exchange(SDX)は、Initial Digital Offering(IDO)を支援するために、金融機関によるコンソーシアムを設立。2020年にSDXのプラットフォームで発行されるセキュリティトークンを利用したIDOを行う予定であるとCoindeskが報じた。

SIXグループは、2018年世界で初めて暗号通貨ETPの取り扱いを開始。取引の透明性・安全性を確保するための分散型台帳技術ソリューションを模索しており、様々な企業のものを検討したうえで、R3社のオープンソースブロックチェーンプラットフォーム「Corda」の商用ディストリビューションである「Corda Enterprise」を採用することを発表。ビットコインやビットコインキャッシュ、リップルなどに連動したETPを取り扱っていたり、今回のように証券のデジタル化を進めたりといった動きを見せている。

今回のIDO計画についてSDXの責任者はCoindeskに対して「主要な焦点は資金ではなく、事業と事業モデルの実証」と語り、資金調達だけではなく技術に関しても重きを置いていることを明らかにした。

  • Swiss International Exchange(SIX) スイス最大、欧州第4位の時価総額規模の証券取引所である。世界で初となる暗号通貨のETPを上場させた取引所として、暗号通貨投資家からも注目を集めた。
  • ETP Exchange Traded Productsの略称であり、上場取引型金融商品のことを指す。この中にはETF(上場投資信託)ETN(上場投資証券)ETC(コモディティ上場投資信託)なども含まれており、これらの総称となっている。一言で言ってしまえば取引所で取引できる様々な投資商品のことを指す。

 

証券取引のデジタル化

現在、証券取引等のデジタル化に関する動きが国内外で活性化している。特に、耐改竄性が強いブロックチェーン技術を活用し、同技術上で証券等を発行することで、取引そのものの透明性が高まるほか、これまでの取引と異なり多くの仲介業者を必要とせずに取引が可能となり取引速度が向上すること、業務コストや管理コストが大幅に削減できる可能性があるとして注目されている。

すでに国際金融機関である世界銀行は2018年と2019年にブロックチェーン上での債券発行を行っており、その中で法規制や取引環境の整備が行われていないため、実利用にはまだ遠いが、可能性のある技術としてその価値を認めている。また、スペイン大手金融機関Santander(サンタンデール)では、イーサリアムのブロックチェーン上で約22億円相当の債券発行を実行し、業務の自動化を進めている。SIXグループの計画でもこのように取引のデジタル化を促進させる一つの動きとなるだろうと予想されている。

  • ブロックチェーン技術 取引履歴を暗号技術によって過去から一本の鎖のようにつなげ、取引履歴・情報を正確に維持しようとする技術であり、P2Pネットワークを利用することで中央管理者を必要とせずにシステムを維持することが可能なものとなっている。分散され、中央管理者がいないため、データの改ざん・破壊に強いという特徴のほか、サーバーのダウンや中央管理者による不正にも強く、情報共有がしやすい利点をもっている。

 

スイス規制当局の動き

EU諸国ではLibraの開発・発行に関して否定的な意見が多いものの、スイスではLibraを「金融市場インフラ規制対象に分類され、現時点ではFINMAによる決済システムのライセンス取得が必要となる」とその扱いを明言したように、スイスの規制当局は技術の発展を阻害しないように「同一のリスクに対して、同一の規制を」という原則に基づき、新技術の分野に関して過度な規制を行う考えはない。

当局はLibraをはじめとするステーブルコインやセキュリティトークンに関して、過度な規制を設けることで、機関が把握できない法外にて技術が発展してしまうことを恐れており、リスクに対して適切な審査を行い、適切に規制を行っていく姿勢を示している。REUTERSの報道によるとスイス当局は、「EU内でのLibra発行は許可しない」と発言したフランス経済相の動きには批判的な意見を述べているという。

 

まとめ

SDXのIDO計画は2020年に実行されるという大まかな情報のみであり、このIDOにてSDXがどれほどの資金を調達しようとしているのかも明らかとなっていないが、技術利用に関して過度な規制を設けないとしているスイス規制当局によって同国のデジタル化は促進されていくことが予想される。

 

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  • 参考:Coindesk[Swiss Stock Exchange SIX Lines up Buyers for ‘Initial Digital Offering’]
  • REUTERS[Switzerland’s FINMA boss fears crypto’s ‘dark corners,’ not Libra]

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