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Binanceの[Venus]、Libraの競合的存在へ[国家の主権]

記事のポイント

  • Binance[Venus]Libraの競合的存在へ
  • 国家の主権を脅かさず、規制下で動く方針
  • Libraでの問題点とVenusの動き

暗号通貨大手メディアであるCoindesk(コインデスク)は、世界的大手暗号通貨取引所Binance(バイナンス)のステーブルコインプロジェクト[Venus]が、政府の規制下の元行われることを報じた。Libraに否定的な政府が、政府主権で通貨を発行できるとするVenusに対してどのような評価を下すのかが今後の焦点となる。

 

Binance[Venus]Libraの競合的存在へ

919日、暗号通貨大手メディアであるCoindesk(コインデスク)は、世界的大手暗号通貨取引所Binance(バイナンス)のステーブルコインプロジェクト[Venus(ヴィーナス)]が、政府の規制下の元行われることを報じた。これは同取引所がOECD Global Blockchain Policy Forumの中で明らかになった方針である。当初Venusは現在国際的に注目を集めているFacebook含めた大企業による暗号通貨プロジェクト[Libra]の競合プロジェクトではなく、Libraを支える存在として発表されていた。しかし、今回はVenusLibraとは異なり、国家の主権である通貨発行を脅かさずに、政府主権で通貨を発行する方針であることを表明するとともに、「(Venus)Libraにとって強力な競合のような存在」と認識していることを明らかにした。

  • Binance マルタに拠点を構える暗号通貨取引所。世界的に取引サービスを提供しており、取り扱っているコインの多さ、問題発生時の対応の速さや良さから高い信頼を得ている取引所である。同取引所による分散型取引所(DEX)の開設や先物取引所の開設、アメリカ市場特化型の取引所開設等々、用途や需要に合わせた取引所の構築に注力しているほか、DEX流動性向上のための独自通貨BTCBの発行やイギリスポンドと連動したステーブルコイン発行計画などを予定している。

 

Binanceによるプロジェクト[Venus]

BinanceによるVenusでは、企業だけでなく政府の参加も歓迎しており、よりオープンで透明性の高いコミュニティを形成しながら、国際送金サービスの向上や世界経済の寡占状態を分散することを目指すことを明言。Libraでは開発された共通通貨となる[Libra]を利用し新たな経済圏を築くということが主となっているが、Venusでは同プロジェクトを通じて法定通貨を担保としたステーブルコインの発行や暗号通貨送金を促すなどの世界的な暗号通貨の開発・利用を促すことを主目的としたものとなっている。

 

Libraでの問題点とVenusの動き

Facebookらによる暗号通貨プロジェクト[Libra]では、国際的に主要な法定通貨を担保として、民間企業が中心となり通貨を発行するという点が、国家の通貨主権を脅かすものであると考えられ、金融安定や経済、国家そのものへの影響を及ぼす危険性があることから否定的な意見が多くみられている。特にフランスは「EUでのLibra開発は許可できない」ドイツでは「民間企業に通貨発行をゆだねることはない」と同プロジェクトに強く反対しており、EU内でのステーブルコインのあり方・規制などの整備を急ぐ考えを示している。

それに対してVenusは通貨発行などの主権を政府に委ね、その規制下で運用していくものとなっている。中央銀行や政府が現在、Libraに関して抱いている大きな懸念点を取り除いた形の提案であり、国家主権や金融安定といった面での問題はクリアできるのではないかとされている。Libraとは異なり、発行した政府に管理権が与えられ、どのように担保を行うのか、何枚発行するのかも政府が決定権を持ち、Binanceは通貨を発行するための技術を提供することに徹するのだという。

  • Libra アメリカドルやユーロ、イギリスポンド、日本円といった国際的に信用力のある法定通貨を担保に運用されるステーブルコイン。その価値が突然失われることや急激な高騰なく、比較的安定した価格での利用が可能となっているとされている。ただ、この裏付けとなる資産の管理・価格調整をLibra協会が行うこととなっており、これら協会に加盟している企業らは国際的な影響力を持つ大手企業が名を連ねることから、経済だけでなく金融安定に大きな影響を及ぼすことが危惧されており、各国規制当局から否定的な発言が行われている。

 

まとめ

Libraの競合プロジェクトではなく、Libraを支える存在」という主張から一転、Venusは「Libraとは異なり」とLibraで指摘されている問題点を解決しながら、Libraの競合相手であるという主張を行った。VenusLibraの問題点として挙げられている国家の「通貨主権」を脅かさずに、金融サービスを向上させより透明性のある国家の運営ができるといった方針を発表したが、これが政府にどのような評価を下されるのか注目が集まる。

 

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参考:Coindesk[Binance Is Pitching Its Stablecoin as a Government-Friendly Libra Competitor]

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