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資金洗浄摘発、過去最多[対日審査控える日本]

記事のポイント

  • 資金洗浄摘発、過去最多
  • 資金洗浄の温床とされる日本
  • 暗号通貨取引業者のコンプライアンス意識の向上

警察庁は「令和元年警察白書」を公表した。白書の中では2018年に警察が摘発した資金洗浄事件は511件で過去最多であることが明らかになるとともに、前年比で4割も増加しているほか、国際的な資金洗浄が日本で行われていることが明らかとなった。今年10月にFATFによる対日審査控える日本の金融機関がどのような評価が下されるのか、不安視されている。

 

資金洗浄摘発、過去最多

729日、警察庁は「令和元年警察白書」を公表した。警察白書とは日本における警察活動に対して国民の理解を得るために警察庁が作成している白書であり、その年にあった事件・災害などとともに警察がどのような取り組みを行ったかの紹介をしたものとなっている。今年の白書では地震や豪雨といった大規模な自然災害やテロ対策を主要テーマとして掲げられたものとなっている。災害に関しては昨年の西日本豪雨や草津白根山の噴火、大阪北部を震源とする地震等が挙げられ、テロ行為に対してはオウム真理用などのような無差別大量殺人事件やサイバー空間における脅威への対策、テロ資金供与対策の重要性が解かれた。

白書の中では2018年に警察が摘発した資金洗浄事件は511件で過去最多であることが明らかになるとともに、前年比で4割も増加しているほか、国際的な資金洗浄が日本で行われていることが明らかとなった。また、摘発が増加したのと同様に犯罪収益や資金洗浄の疑いがあるとして国内の金融機関からの「疑わしい取引」に関する届け出も417465件と過去最多を記録。この届出のうち、7096件は暗号通貨取引所からのものであり、暗号通貨を利用した国際的な資金洗浄行為に対する取り締まり強化の必要性が指摘された。

  • 資金洗浄  マネー・ロンダリングMoney Launderingとは犯罪によって得た収益を、その出所や真の所有者が分からないようにして、捜査機関による収益の発見や検挙を逃れようとする行為。資金洗浄を放置すると、犯罪による収益が、将来の犯罪活動や犯罪組織の維持・強化に使用され、組織的な犯罪及びテロリズムを助長するとともに、経済の健全な成長・発展へ重大な悪影響を与えるとされており、世界全体で防止対策が講じられている。

 

資金洗浄の温床とされる日本

麻薬・賄賂・脱税に係る資金洗浄やテロ資金供与への国際的な対策を協議する国際機関[金融活動作業部会(FATF)]は、対策強化のための審査・監督等を定期的に行っており、日本もこの審査を受けている。11年前に行われた前回の審査では、資金洗浄・テロ資金供与対策が不十分であり、犯罪利用の温床となっていると国際的に非難された。この非難を受け、1991年に麻薬特例法、1999年に組織的犯罪処罰・犯罪収益規制法を制定。20071月には本人確認法施行令を改正し、本人確認できないATMの現金振込額について1回あたり10万円以下に制限。20083月には不動産、宝石、クレジットカード業にも本人確認を厳格に求める犯罪収益移転防止法を完全施行した。しかしながら、依然として「対策が十分でない」とされ、2016年には犯罪収益移転防止法の法改正を施行。さらにこれも不十分であるとFATFによる勧告を受けていた。

そうした国際的にみても対策が甘いとされる国が資金洗浄・テロ資金供与に利用されることは必然であり、近年国際的にこれらへの対策が強化されていることも受け、より低いコストで犯罪利用可能な日本へ取引が集中しつつあるのではないかとみられている。

 

暗号通貨取引業者のコンプライアンス意識の向上

今年2月、警察庁は犯罪収益や資金洗浄の疑いがあるとして、2018年に金融機関などが国に届け出て受理された取引は417465件で、過去最多となったことを発表。20174月に届け出が義務付けられた仮想通貨交換業者からは2017年の10倍以上の7096件の届け出があったことも明らかとなったが、警察は暗号通貨の犯罪利用そのものが増加したのではなく、国内の取引業者のコンプライアンス意識が向上し、セキュリティ体制強化が行われたために、不審な取引の早期発見・報告が適切に行われ、結果として「疑わしい取引」に関する届け出が増加したという見解を明らかにしていた。

 

まとめ

日本は今年10月にFATFによる審査を控えている。同審査の結果は国際的に公表され、評価によっては「その国の金融機関と取引することはリスクとなる」と判断され、取引制限が行われたり、取引そのものが回避されたりとその国の金融経済に大きな影響を与える可能性のある重要なものとなっている。特に今回の審査では暗号通貨交換業者も審査対象となっており、日本の暗号通貨市場に大きな影響を与えうるとして対策が急がれている。

 

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参考:警察庁[令和元年警察白書]

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