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世界でATM減少、中国では前年比-6.8%[キャッシュレス決済]

記事のポイント

  • 世界でATM減少
  • ATM減少とキャッシュレス決済の普及
  • 金融庁の金融サービスデジタル化への動き

世界でATMが減少しつつある。これはキャッシュレス決済の普及によるものだとみられており、実際にキャッシュレス決済が急速に普及し、屋台での買い物でも現金が断られるほどになっている中国においては、前年比で6.8%ものATMが減少した。

 

日本含めた世界でのATM減少

イギリスの調査企業[Retail Banking Research(リテール・バンキング・リサーチ/RBR)]によると、2018年末の世界のATM台数は前年末と比較して1%減少。国際通貨基金(IMF)でも、経済協力開発機構加盟国では2018年で前年比2.6%の減少。世界全体での銀行ATMが急速に減少し始めている。

特に国内においては人口減少などから利用者が減少しているほかに、マイナス金利の長期化といった環境から金融機関がこれまでの形態では収益を上げることが困難な状況となっている。収益を上げることが困難な状況であるため、金融機関は業務の効率化やコストの思いATM・利用者の少ない支店を閉鎖させる動きが加速している。ただ、これまで提供していたサービスを縮小させるだけではなく、近年成長著しいフィンテック企業との統合・連携でネットサービス提供を開始し、アプリでの金融サービス提供などネットバンキングに注力する金融機関が増えてきている。

三菱UFJと三井住友は9月から店舗外のATMを相互開放することで、近接する600~700か所程度を廃止する方針を明らかにしているほか、みずほが2024年までに130の拠点を統廃合する方針を発表している。

  • キャッシュレス決済 クレジットカードやデビットカード・電子マネーやスマホのQRコードなど、現金を利用せずに決済を行う方法。すべての記録が残り、決済業者で確認できるために不正や悪用対策が取りやすくなる。また記録が残ることで分析が行いやすくなり、よりよいサービスの向上、不正に対する適切な対応が取りやすくなるとされている。
  • RBR(Retail Banking Research) 銀行取引の自動化やATM,カード決済関連市場を中心に調査を行っているイギリスの調査企業。

 

ATM減少とキャッシュレス決済の普及

日本のように人口減少や低金利政策といった環境から金融機関が収益を得にくい状態であり、コストのかかるものを削除し、キャッシュレス決済かが進んでいる国と、中国のように屋台などでもキャッシュレス決済が導入され現金決済が断られるほどキャッシュレス決済が急速に普及したためにATMが減少している国がある。

特に中国では世界で最も設置台数が多かったのだが、このキャッシュレス決済の普及により、前年比で6.8%も減少した。

 

金融庁の動き

こうしたキャッシュレス決済の普及、金融サービスのデジタル化による形態の変化に対応すべく、金融庁も動き始めている。621日、[金融部門のサイバーセキュリティレポート]を公表し、金融機関を取り巻く環境等が変化していることを踏まえた金融分野の実態や課題を指摘。79日には、[ブロックチェーン技術等を用いた金融システムのガバナンスに関する研究]に関する企画競争を公表。進んでいくデジタル化に適応した法規制・セキュリティ体制整備に動いている。

特に国内では政府が「2025年までにキャッシュレス決済比率を40%まで引き上げる」ことを掲げており、このためのデジタル給与解禁やフィンテック事業での規制緩和を進めている。特にデジタルマネーで給与を払えるようになれば、必然的に現金をATMで下ろす必要もなくなりキャッシュ化が進むとみられているため、政府は2019年度内でのデジタル給与解禁を目指している。仮にデジタル給与が解禁された場合これまでのように銀行を介す必要もなくなるため、現在増加傾向にある外国人労働者への給与の利便性が向上するほか、給与がきちんと支払われているかの証明など、現在ある問題の解消にもつながると期待されている。

 

まとめ

世界でATMが減少し、キャッシュレス化が進んでいる。日本では、キャッシュレス決済比率が低いため、政府が現在キャッシュレス決済サービスを提供しているQRコードやバーコードの規格を統一化し、どのサービスでも利用できる利便性の高い環境を整備しようとする動きやキャッシュレス決済時に一定の還元を行う政策、デジタル給与解禁など、比率向上のための取り組みを掲げている。規格統一化・還元制度への準備はすでに動き始めており、LINEPayPay、ゆうちょPayなど大手企業も参加している。ただ、期待されているデジタル給与に関しては、70年前から一度も改正されず「原則現金手渡し」での給与を定める労働基準法を所轄する厚生労働省とフィンテックを推進し資金移動業者の規制緩和を進める金融庁での意見が対立しており、2019年度内の解禁は難しいのではないかとされている。

 

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参考:Retail Banking Research[Teller Automation and Branch Transformation 2019]

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