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JVCEA、金融庁に税制改正要望書提出[暗号通貨の取引環境]

記事のポイント

  • JVCEA、金融庁に税制改正要望書提出
  • 現在の日本の暗号通貨税制
  • 「国民感情的にどうか」
  • 2020年度に予定される法改正

金融庁認可自主規制団体である一般社団法人日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)は、[2020年度税制改正要望書]を金融庁に提出したことを発表した。

 

JVCEA、税制改正要望書を提出

719日、金融庁認可自主規制団体である一般社団法人日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)は、[2020年度税制改正要望書]を金融庁に提出したことを発表した。この要望書を構成するのは以下五点。

  1. 支払調書関係
  2. 申告分離課税等関係(現物取引・デリバティブ取引)
  3. 簡易課税制度の導入
  4. 暗号資産等の発行時に課せられる発行者への課税関係
  5. 暗号資産投資におけるエンジェル税制

いずれもこれまで国内で暗号通貨投資を行っている方から指摘されてきた、国内の暗号通貨投資環境における問題点の改善要請である。特に、日本維新の会の藤巻健史氏がこれまでに麻生太郎財務大臣や国税庁に強く訴えてきた暗号通貨の申告分離課税への変更も言及されている。

 

日本の税制

現在、日本では国税当局が「消費税上並びに資金決済法上[暗号資産は支払い手段]と定義しているため、譲渡所得に起因する譲渡所得に該当せず、雑所得である」としているために、暗号通貨の売買益では最高税率55%の総合課税が課せられている。

しかしながら今年改正が成立した資金決済法・金融商品取引法では、暗号通貨関連のデリバティブ取引を金商法で取り締まる方針であり、暗号通貨のデリバティブ取引を提供する業者は金商法上での登録が必要となる予定だ。これはFXや株式といった他の金融商品と同じ規制である。FXや株式では金融・証券税制によって申告分離課税が適用されており、税率は20%となっている。

暗号通貨のデリバティブ取引をFXや証券と同じように金商法で取り締まるのにもかかわらず、FXや証券と同じように申告分離課税が適用されないのは不可解であり、税の公平性・中立・簡素の原則の特に「中立」を損ねるものだとして改正を求められている。

 

「国民感情的にどうか」

これまで暗号通貨の税制に関しては数多くの質疑応答、改善を求める声が挙げられたが、「現在総合課税で最大55%の課税率がかけられる暗号通貨をFXや株式同様の分離課税を適応し20%に下げないのか」という問いに対して、麻生財務大臣は

「汗もかいていない儲けを優遇するのは、国民感情的にどうか。また技術を育成するために暗号通貨の利用を後押しする必要はあるのか」

という回答を行っている。また、今年3月には類似した問いに対しては以下のように回答した。

「暗号資産は金融商品取引法の対象となったが、暗号資産の交換という業務は引き続き資金決済法の対象であり、法令上の呼称は仮想通貨から暗号資産に変更することになるが、その定義自体を変更するということではない。外国通貨同様に、どの売却益等は資産の値上がりによる譲渡所得とは性質が異なり、一般的に雑所得に該当するという現行の取り扱いを変更する必要はない。」

  • 資金決済法 資金決済に関する法律であり、銀行に限定していた国内外の送金業務を他業種にも認めることや、前払式支払手段(商品券・電子マネー等)の利用者保護の強化などを規定することを目的に制定された法律である。前払式支払手段・資金移動業・資金清算業の3つを柱とした法律となっている。
  • 金融商品取引法(金商法) 金融・資本市場を取り巻く環境変化に対応し、利用者保護とルールの徹底と、利便性向上・市場機能の確保及び資本市場の国際化への対応を目的としたものである。投資サービスに対する投資家保護法制・開示制度の拡充・取引所の自主規制機能の強化・不公正取引への厳正な対応の4つが柱となった法律である。

 

2020年度の法改正

531日、資金決済法・金融商品取引法の改正案が参院本会議で可決し、成立したことで、2020年度に暗号通貨に関する法改正が変更されることが予定されている。この改正によってこれまで呼称されていた「仮想通貨」から「暗号資産」へ名称変更が行われるほか、仮想通貨交換業者や暗号通貨関連サービスを提供する業者へ求められる体制、ICOなどへの法規制が変化する。

 

まとめ

日本は世界で初めて暗号通貨に関する法規制を定め、「禁止」を行わずに規制をしながら暗号通貨の取引を受け入れてきた。しかしながらこの早期対応から暗号通貨企業・投資家が集中し、資金が集まり当時セキュリティの甘かった取引所での事件が相次いだ。この事件が相次いだことなどから、国内では暗号通貨に対する不信感が募っており、政府の対応も固くなっている。今回の要望書はそうした政府対応への改善を求めるものであり、国内の暗号通貨取引環境が改善されていくことが期待されている。

 

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参考:一般社団法人日本仮想通貨交換業協会[2020年度税制改正要望書]

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