記事のポイント
- Coinbase、イギリスサービスの制限
- SWIFTでの送金
アメリカ大手暗号通貨取引所Coinbase(コインベース)がイギリス利用者に対して入金制限を行ったことが暗号通貨大手メディアCointelegrahの取材によって明らかとなった。これまで利用できた即時送金が利用できなくなるほか、SWIFTを経由した送金が強要されるために同国利用者にとっては非常に利用しにくい状況となっている。
Coinbase、イギリスサービスの制限
7月16日、アメリカ大手暗号通貨取引所Coinbase(コインベース)がイギリス利用者に対して入金制限を行ったことが暗号通貨大手メディアCointelegrahの取材によって明らかとなった。制限は、イギリス利用者に対し最低入金金額を定め、SWIFTの国際送金ネットワーク経由での送金のみ対応するというもの。さらに入金後は同取引所の5営業日以内に入出金はできないともされた。入出金制限の理由としては同取引所の顧客口座を詐欺や犯罪利用から保護するためだとされている。しかしながら、これと同時に、これまで利用できた即時送金サービスが、なぜ停止されたのかの理由は明らかとなっておらず、これに不満を持つ声もある。
同取引所は2012年に設立し、暗号通貨取引サービスを提供している暗号通貨業界の老舗的存在である。イギリスでは2015年より取引サービスを開始しており、暗号通貨VISAカード[CoinbaseCard]での暗号通貨の瞬時決済を可能にする暗号通貨デビットカードサービスを提供していた。暗号通貨に対して友好的であり、明確な法規制整備に動いているイギリスで、大手取引所であるCoinbaseが制限をかけたことによるイギリス利用者に対する影響は大きなものとなる。
- Coinbase アメリカ・サンフランシスコに拠点を構える大手暗号通貨取引所。世界で初めて暗号通貨関連事業でユニコーン企業となった老舗的存在。老舗であり、アメリカ証券取引委員会(SEC)に忠実で規制に沿ったサービスを提供している取引所として有名である。2018年9月25日に上場審査ポリシーの変更を行い、これまで主要通貨のみの取り扱いだった同取引所はさまざまなコインを取り扱うようになった。日本への仮想通貨交換業者登録を目指している。
SWIFTでの送金
これまでイギリスではリアル決済サービスが提供されており、法定通貨の即時入金が可能となっていたが、今回のCoinbaseの制限によって同サービスは停止され、SWIFTを経由した送金でなければ入金は不可能となった。現在国際送金インフラとして機能しているSWIFTは取引処理に5営業日が必要となっており、これまで即時入金が利用できた利用者からしてみれば、この制限は利便性を非常に損なうものである。
@coinbase @CoinbaseSupport Why remove faster payments! No email no message in app! Now 1k minimum depoists!😨😤😳🚫🤢⚠️ unbelievable! Swift upto 10 days! Wtf…. you guys suck!💯
— Jaygold (@Jaygold100) July 19, 2019
❌🇬🇧 @Coinbase cripples their UK Deposits 🇬🇧❌
– Instant deposits now suspended
– Replaced w/ SWIFT which can take 10 days
– Minimum deposit increased to $1000
– Claims 'Faster Payments Deposits' will resume in coming monthsWhat's another good method for Brits to buy Crypto? pic.twitter.com/CvWK9CEG15
— ⚡Crypto Authority⚡ (@CryptoAuthorit) July 18, 2019
さらに利用者は「なぜ即時送金を停止したのか」という問い合わせを行っているのにもかかわらず、返信が来ないことやSWIFTを経由した送金では実質的に10日かかることを指摘留守声がある。
- SWIFT Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunicationの略称で国際銀行間金融通信協会と訳される。1973年より世界各国の金融機関に国際送金や証券取引などのサービスを提供している団体である。現在E2Eメッセージや取引追跡・取引の最適化などの機能を有するGlobal Payment Innovation(GPI)という国際金融インフラの開発を進めている。同協会は古くから国際インフラとして機能しており、すでに世界200ヵ国、1.1万もの金融機関が参加している。
まとめ
歴史・取引高からして世界的な大手暗号通貨取引所であるCoinbaseだが、2018年には「資金移動が完了しない」「問い合わせの対応がない」といったクレームがアメリカ証券取引委員会に殺到していたことが報じられた。その後同取引所はカスタマーサポートの改善やメールだけでなく電話やチャットでのサポート窓口を開設し対応にあたっていたが、今回のイギリス利用者に対する対応に関してはきちんとした対応がされていないと不満の声も多くある。
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参考:Coinbase[Report:Coinbase Deposite for UK Users Now Take 10 Days, Must Be Over €1,000]