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日本政府、新暗号技術2023年導入へ【耐量子暗号】

記事のポイント

  • 政府、新暗号技術採用へ
  • 2023年の採用を目途に
  • 耐量子暗号
  • 量子コンピュータの実用化

総務省が量子コンピュータの実用化を見据え、暗号通貨の新規格導入に関する検討を始めたことが日本経済新聞・産経新聞によって報じられた。あらゆるものと情報がつながり、情報が自由に行き交う時代になりつつある今、この情報を保護するためのセキュリティ体制を整えることが求められる。特にそう遠くない未来で実用化されるであろう量子コンピュータの誕生に備え、各国政府機関・企業らがより強力な暗号技術を導入することが急務となっている。

 

政府、新暗号技術採用へ

72日、総務省が量子コンピュータの実用化を見据えた暗号通貨の新規格導入に関する検討を始めたことが日本経済新聞・産経新聞によって報じられた。量子コンピュータは従来のコンピュータでは解決不可能な複雑な演算を行うことはもちろん、従来コンピュータと比較して素早く演算を行うことができるものとなっている。具体的には従来コンピュータの1万倍~1億倍もの性能を誇り、現在利用されている暗号・パスワードも、量子コンピュータにかかれば数秒で解読されてしまうとされている。この高い演算能力により、これまで情報の安全を守るために活躍していた暗号が簡単に解かれてしまい、量子コンピュータの実用化が始まることで大機微なサイバー攻撃につながる恐れがあるとして、政府は非公式の有識者会議で検討したのである。この検討の末、2023年ごろを目途に新規格の暗号通技術を導入する方針となった。

 

2020年にも報告書まとめる計画

日本政府は情報通信技術の発展普及が広まった2003年にも、安全性の高い暗号技術を推奨リストとしてまとめ、2013年に各省庁でこれら技術を組み込んだシステムを再構築したが、2023年に再び安全性確保のためのリスト更新を行う。

前述の通り、今回の新規格導入は「量子コンピュータの実用化」を見据えたものとなっており、これに対抗する暗号技術(耐量子暗号)として量子コンピュータを用いても解読が困難とされる格子暗号や多変数多項式と呼ばれるものを活用しようとする動きがある。今回立ち上げられた有識者会議は年内にこの暗号技術・サイバーセキュリティ・量子コンピュータ等々に関連する問題の論点を整理し、導入する暗号技術の安全性を評価する上位検討会が20203月に報告書をまとめる計画となっている。

<耐量子暗号>

以下、量子コンピュータへの耐性に加えて利便性の高い機能を有し実現可能な暗号として挙げられているものである。このほかにも符号ベース暗号や上記らの公開鍵暗号とは異なる情報理論的暗号とされる量子暗号などが存在する。いずれの暗号も世界各国で研究されているものとなっている。

  • 格子暗号(Lattice-based Cryptography) 格子と呼ばれる数学的な構造を利用した公開鍵暗号の総称。格子とは、基礎ベクトルの整数係数線形結合で表される点からなる集合体のことを意味し、この格子に関する直行しない基礎ベクトルの最近格子(最短ベクトル/SVP)を求める問題は計算量的に困難だとされている。その講師上で定義される数学的問題を安全性の根拠として利用しているのである。「総称」としているようにこれらには様々な方式が存在している。なかでもLWE方式は安全性・実用性のバランスから現時点では最適だとされている。ただ、他に存在するNTRU方式・GGH方式に関しては難易度の下限が判明しておらず安全性に懸念が残っており、AD方式に関しては安全に利用するための必要な情報が膨大なため実用性に乏しいとされている。
  • 多変数多項式暗号 位数qの有限体Fqのもとを係数としたnこの変数を持つm個の二次方程式の共通解を求めるというという多変数多項式(Multivarriate Quadratic polynomials)の困難性を基にした暗号である。

 

量子コンピュータの実用化

「量子コンピュータの実用化を見据えて」とされた今回の日本政府の動きだが、20191月、ラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市でIBMが世界初となる商用量子コンピュータ[Q System One]の発表を行っており、この量子コンピュータの実用化はそう遠くない未来で始まるとされている。

特にこの量子コンピュータに関する研究は、提唱された1980年代では実現難易度が高いことやそれを有効に利用できる分野が存在しなかったことから積極的な研究は行われていなかったが、2000年代になり情報通信技術の普及により数多くの情報があふれ、量子コンピュータの活躍が期待できる分野が誕生したことなどから研究が大きく進展し、現在ではGoogleIBMをはじめとする企業らによる研究・開発が進められているのである。前述の通り、非常に高い演算能力をもち、あらゆる既存の暗号を瞬時に解読することが可能なことから、国家機密保護・安全保障上の問題からこの量子コンピュータ実用化に向けた政府の対策が注目されているのである。

 

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