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プロジェクト[Libra]の3つの特徴と問題点

記事のポイント

  • プロジェクト[Libra]の特徴
  • ステーブルコイン・運営組織・ブロックチェーン
  • Libraの問題点

大手SNS企業Facebook(フェイスブック)による暗号通貨プロジェクト[Libra]のホワイトペーパーが公開された。VISAMasterCardPayPalといった大手企業や非営利団体など様々な業種・団体が参加していることから注目が集まっていたが、各国の政府機関ではこの計画に慎重、または批判的な反応がみられている。特に、アメリカにおいては「アメリカドルに対抗する通貨の発行」にあたるとしてプロジェクトの強制凍結の考えも浮上しているほどのものとなっている。今回はこのLibraの特徴について紹介する。

 

注目されるプロジェクトLibraの特徴

先日公表され、各国から注目されているFacebookによる暗号通貨プロジェクト[Libra]には賛否両論ある。同プロジェクトはその技術的な仕組みや運営体制、経済に与える影響力、法規制などから問題点があるとされているが、今回はそのLibraの特徴を紹介する。同プロジェクトがポイントとして挙げているのは以下の三点だ。

  1. 安全でスケーラブルで信頼性の高いブロックチェーンを基盤とする
  2. 実態価値を付与するための資産のリザーブを裏付けとする
  3. エコシステムの発展を目指す独立したLibra協会がLibraを運営する

 

<プロジェクト参加企業・団体が運営>

上記のポイントの中でも、特に注目されているのはプロジェクトに参加する企業の多さ、その業種の豊富さである。「エコシステムの発展を目指す独立したLibra協会がLibraを運営する」とされているが、決済企業としては大手クレジット会社VisaをはじめとしMastercardPayPalStripeそしてPayUが参加し、非営利団体ではWomen’s World BankingKivaMERCY CORPSが。さらに音楽分野でSpotify.Ride-Share事業でUberLyft、旅行事業でBooking.comそして、e-commerceではFARFETCHebayMercadoLibr.ブロックチェーン分野では大手取引所CoinbaseXapoANCHORAGEBosonTrails。ソーシャルメディアとしてFacebookCalibra。通信企業としてIliadVodafone、そしてテクノロジー企業としてANDREESSEN HOROWITCREATIVE DESTRUCTION LABTHRIVE CAPITALRibbit CapitalそしてUnion Square Ventures28社がこのプロジェクトに参加し[Libra協会]として同プロジェクトを運営していく。国境のない自由でだれもが利便性高く利用できる金融インフラを構築させるためには、こうした多国籍で多業種な組織で運営されることは、偏りが生じにくいとされている。

 

<「ステーブルコイン」としての機能>

また同コインは「実態価値を付与するための資産のリザーブを裏付け」としたステーブルコインとして運用される。ステーブルコインとは、ビットコインやイーサリアムといった暗号通貨とは異なり、法定通貨や不動産など現実に存在する金融資産などを価値の裏付けとして持つコインのことであり、価値の裏付けを持つことで暗号通貨にある価格変動リスクを抑えることが可能となっている。

Libraでは、上記のLibra協会が価値を安定させるためにLibraの発行量より多い資産を保持、調整を行う。価格が基準より下回れば、同協会がそのリザーブ資産を利用してLibraを買い取り、価格が基準を上回れば新たにLibraを発行するといった仕組みで価格の安定が図られる。

 

<パブリックブロックチェーンとしての計画>

現在は協会によって運営されるコンソーシアム型のブロックチェーン(参加団体による許可型のブロックチェーン)となっているが、いずれはコンソーシアム型ではなく、非許可型の完全なパブリックブロックチェーンとして運用し、経済的にも技術的にも公平性・透明性を保ったブロックチェーンとして運用される予定である。「安全でスケーラブルで信頼性の高いブロックチェーンを基盤とする」としているように、コンソーシアム型では許可されたノードが合意形成を担当するため、ネットワークが広がり取引量が増加すると限られたノードで取引を行うことが難しくなり、スケーラビリティが低下してしまう問題点が発生する。そうしたスケーラビリティの問題からも今後許可型から非許可型への移行計画が存在しているのである。

 

Libraの問題点

ただ、このLibraには上記特徴にそれぞれ問題が生じている。例えば同プロジェクトに参加するLibra協会だが、同協会の参画企業は同通貨のブロックチェーン監視者(ノード)として機能するほか、多数決制の意思決定制度も存在する。協会の役割としては同プロジェクト開発・普及活動・裏付け資産管理・発行量調整といった様々なものを担っているが、この意思決定が参加団体の多数決で決定されることから、参加企業の影響を大きく受ける可能性があると指摘されている。

また、「ステーブルコイン」として機能する予定となっているが、これは多数企業による「法定通貨に対抗する通貨の発行」ともとれる。世界的に影響力のある企業が提携してこうした動きを見せることで、現在の法定通貨による経済に多大な影響を及ぼす可能性から各国中央銀行などが危険視しているのである。

 

まとめ

Facebookが過去に個人情報の扱いに関する問題を起こしたことも、このプロジェクトに批判的な意見がみられる要因の一つではあるものの、大手企業らによる「法定通貨に対抗しうる通貨」を独自に発行し、新たな経済圏を開発するといった動きに、金融安定や消費者保護といった点から難色を示す国が多いようだ。

 

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