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取引所Binance、アメリカ市場へ参入[Liquid]

記事のポイント

  • 取引所Binance、アメリカ市場へ参入
  • アメリカの暗号通貨に対する法規制
  • 参入計画見せるBinanceLiquid

世界大手暗号通貨取引所Binance(バイナンス)が、アメリカ市場に特化した取引所[Binance US]を設立する計画を持っていることが明らかとなった。不透明な法規制から取引所による自主的な取り扱い停止措置がみられる一方で、同国は決して暗号通貨に敵対的な動きを見せているわけでもなく、市場規模は日本を上回る世界1位であることから、同市場への参入は不可解なものではない。実際に国内で取引所を運営しているリキッドグループも5月にアメリカ市場への潜入計画を明らかにしている。これら取引所による動きが活発になることでのアメリカ市場・規制環境への影響に注目しておきたい。

 

Binance、アメリカ市場へ参入

613日、世界大手暗号通貨取引所Binance(バイナンス)が、アメリカ市場に特化した取引所[Binance US]を設立する計画を持っていることが明らかとなった。これは、アメリカの金融犯罪取り締まりネットワークの認可を得たBAM Trading Servicesと提携することに成功したために可能となった計画であり、実際にBinance USを運営し業務を管理するのはBAM社になるという。

FinCEN5月に暗号通貨関連金融サービス事業者向けに新たなガイダンスを発表し、これまで以上に暗号通貨分野での取り締まりを明確にし、強化していく意欲を見せていた。また、ここ数か月ではアメリカに拠点を構える取引所による自主的な法岸江に考慮した「あるとコインの取引停止」措置もみられているほか、DEXの取り締まりも行うアメリカ市場で、同取引所がどのように活躍していくのかに注目が集まる。

  • Binance マルタに拠点を構える暗号通貨取引所。世界的に取引サービスを提供しており、取り扱っているコインの多さ、問題発生時の対応の速さや良さから高い信頼を得ている取引所である。201957日にフィッシング詐欺による不正アクセス事件が起きたが、被害状況・対応といった情報を素早く提供し、すぐさまネットで利用者の質問に答えるなどの対応を取ったことから信頼されている。
  • FinCEN Financial Crimes Enforcement Networkの略称。アメリカの資金洗浄・テロ資金供与などの対策の一つである「銀行秘密法(BSA)」の執行機関であり、国家機関。2014年に暗号通貨ビットコインの決済代行者・取引業者を現金サービス事業者として位置付けて対応。20195月にウォレットサービス・取引業者・ATMdAppsICO発行者それぞれに関する定義・ガイダンスを公表した。

 

アメリカの法規制と市場参入の動き

アメリカでは現在、暗号通貨に対して不明確で不透明な法規制での取り締まりが行われている。同国は、決して暗号通貨に対して敵対的な規制を敷いているわけではないものの、同じ暗号通貨取引でも、現物取引市場に関しては各州の規制当局が管轄になっている一方で、先物取引についてはアメリカ商品先物取引委員会(CFTC)が管轄となっているほか、暗号通貨そのものを証券法で取り締まろうとする証券取引委員会(SEC)の動きがあり、規制状況は各州で大きく異なり混乱が見られる状況となっている。そうした国内で統一された法規制・定義・見解が存在しないために解釈によっては「規制に準拠していない」とみられる可能性もあるような不透明な状況となってしまっているのである。

特に、同国で認可を取得してサービス提供を行っている取引所にとって、規制当局が暗号通貨を有価証券とみなす可能性のある暗号通貨を取り扱っているのは大変なリスクであり、「有価証券を暗号通貨と同様に扱い、認可を得ないままに顧客に取引サービスを提供していた」と評されるリスクを恐れPoloniexBittrexGate.ioといった取引所では、同取引所内で「証券に該当する可能性のあるコイン」の取引停止措置を取る事態となっている。

しかしながら、そうした動きの中で今回のBinanceのようにアメリカ市場へ参入する考えを示している取引所が存在している。中華系のHuobiグループや国内取引所QUOINを運営しているリキッドグループがこれにあたる。リキッドグループは、20195月にアメリカ市場参入のための合弁会社[Liquid USA]を新設し、20201月までに同国全土の規制当局の認可を取得し、全サービスの提供を目指すという方針を明らかにしている。前述の通り、同国は不透明な法規制環境となっているものの、暗号通貨やブロックチェーンに対して敵対的な動きはみられておらず、取引市場も日本を上回る世界1位という規模を誇る国となっている。そうしたアメリカ市場へ参入しようとする取引所の動きは特段不可解なものではない。

  • SEC Securities and Exchange Commissionの略称であり、アメリカ合衆国で株式などの証券取引を監督・監視する政府機関である。日本の証券取引等検視委員会・公認会計士・監査審査会の機能を有する組織となっている。証券取引委員会と訳されるが、直訳では証券および取引所委員会となっており、実際に証券法だけではなく証券取引所法も担当している。最近ではICOやトークンの取り締まりを強化しつつ、暗号通貨関連企業等が証券法を守ることを支援するFinHubの設置なども行っている。
  • CFTC Commodity Futures Trading Commissionの略称であり、アメリカ合衆国の商品先物取引を監督・監視する政府機関である。商品取引所の上場商品や金利、先物取引全般を監督するとともに、市場参加やの保護を目的に詐欺や市場操作の不正行為追及や市場取引監督を行っている。

 

Binanceの動き

Binance64日に、アメリカドルと一対一の関係で価値が裏付けされているステーブルコインTrueUSD(TUSD)を発行するTrustTokenとの提携を発表したほか、イギリスポンドを担保とした独自のステーブルコインの発行計画を明らかにした理、証拠金取引サービスや分散型取引所の開設、新たなコイン上場とさまざまな動きを見せている。

 

  • 証拠金取引 取引により損失が生じた場合でも決済ができるように一定額の金銭(証拠金)を預けておく必要があり、この証拠金を利用した取引のことを証拠金取引という。一般的には、取引に必要な証拠金は取引額より小さいものとなっているため、少ない資金で巨額の取引を行うことが可能となる。
  • 分散型取引所(Decentralized Exchange/DEX) その名の通り分散型・非中央集権型の取引所を指す。現在数多く存在する取引所は、取引所を運営する特定の管理者として企業が存在しているが、このDEXでは特定の管理者は存在せず、ブロックチェーン上で自立・独立して運営されているものとなっているために、取引者同士が直接取引するかたちのものとなっている。

 

まとめ

「暗号通貨を普及させるためには法定通貨との交換をよりしやすく、導入口を広げることが必要」だとする取引所Binanceは、暗号通貨への動きが活発なアジア・アメリカだけではなく、アフリカやヨーロッパ地域でも積極的に取引所を開設し、様々な法定通貨をサポートするとともに、クレジットやデビットカードでの暗号通貨取引にも対応するなど取引の利便性・自由度向上に注力している取引所である。そんなBinanceがアメリカ市場へ参入することで、同国の法規制に関する動きが加速するか、同市場でのサービス競争が激化するのか、どんな変化が生まれるのか注目が集まる。

 

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