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日米欧の金融機関で国際送金への動き[取引手数料や取引処理時間]

記事のポイント

  • 日米欧の金融機関で国際送金への動き
  • 顧客資産に裏付けられた独自電子通貨での取引
  • 国際送金に存在する問題の解決へ
  • JpモルガンのIINとの融合は

日本経済新聞は日米欧の有力銀行が海外送金の即時決済に向け、独自の暗号通貨発行計画に動いていると報じた。国際送金に関しては取引手数料の高さや取引にかかる時間の長さといった点が利便性を損なっていると指摘されており、これら問題点を解決することで資金はより自由に活発に動き回ることが可能になるとされRipple社をはじめとするフィンテック企業やIT企業のIBMなどが積極的な動きを見せているが、これに対して金融機関も本腰を入れて動き出す。

 

金融機関による国際送金への取り組み

6月3日、日本経済新聞は日米欧の有力銀行が海外送金の即時決済に向け、独自の暗号通貨発行計画に動いていると報じた。同報道によるとこの計画では、スイスのUBS、Credit Suisse(クレディ・スイス)、イギリスのBarclays(バークレイズ)、アメリカのState Street (ステート・ストリート)、三菱UFJ銀行と三井住友銀行など日米欧の14の金融機関が共同出資した「Fnality International(エフナリティ・インターナショナル)」が中心となって動くようだ。同社は前述の通り、14の金融機関が共同出資したものであり、電子通貨の計画・運用を担うための企業として設立されており、資本金は約68億円にもなるという。

Fnality Internationalは、銀行口座を書く中央銀行に開設し、主要な法定通貨と同等の価値を持つ電子通貨を利用して、P2Pでの送金を行う形になるという。システム基盤としてはブロックチェーン技術が利用される。従来の国際送金では、銀行間システムの違いや口座の問題から複数の中継銀行が必要となっており、この複数の銀行を経由することから多くの手数料や時間が必要となっているのである。しかし、今回の計画では銀行間取引のための独自電子通貨を利用することで、取引者同士での直接取引が可能となり、従来と比較して安価な手数料と短い時間での国際送金が可能になるのだという。

また、独自通貨では顧客から預かる資産を裏付けとして発行されるものであり、直接取引・高速取引の利点が挙げられるものの価格変動リスクが非常に高いとされる暗号通貨とは異なり、為替レートの違いだけが反映されるため、暗号通貨と比較してもリスクは抑えられるとされている。発行されるコインはアメリカドル、ユーロ、イギリスポンド、日本円、カナダドルでの対応を検討し、2020年末までに1通貨目の発行を目指すとしている。

  • P2P (peer to peer) peerとは対等の立場で通信を行うノード・通信相手のことを指す。今までのようなサーバーにアクセスし、取引を行うというものではなく、それぞれのノードが情報を保持・共有し、取引を行う自律分散型モデルとなっている。
  • ブロックチェーン技術 取引履歴を暗号技術によって過去から一本の鎖のようにつなげ、取引履歴・情報を正確に維持しようとする技術であり、P2Pネットワークを利用することで中央管理者を必要とせずにシステムを維持することが可能なものとなっている。分散され、中央管理者がいないため、データの改ざん・破壊に強いという特徴のほか、サーバーのダウンや中央管理者による不正にも強いものとなっている。

 

Jpモルガンの国際送金への動き

国際送金に関する問題点はこれまでも指摘されてきたが、これを解決するためにフィンテック企業や金融機関の動きが活発化しているのである。今回は日米欧の金融機関が主要通貨に対応する独自の電子通貨を発行することで、取引手数料の削減や取引処理時間の短縮を行おうとするものだが、アメリカのjpモルガンでも、同様の動きを進めている。

JPモルガンがイーサリアム(Ethereum)のブロックチェーン上で構築したQuorumを活用した決済システムInterbank Information Network[IIN]は、今や世界220行が参加するプラットフォームとして存在している。このネットワークはFnality Internationalが計画しているものとは異なり、決済情報を共有し、情報の透明性を高めるとともに取引速度も向上させるものとなっている。銀行間で情報共有を行うため、決済情報だけでなく取引の正確性や資金洗浄などの犯罪行為が行われていないかの照会を素早く行い、コストを削減することが可能となっている。ただjpモルガンでは、独自暗号通貨の発行も行っており、これは動向に預けられた顧客資産に基づいてはこうされるものとなっているため、場合によってはIIN内での利用が可能になるほか、このIINとFnality Internationalが構築するネットワークを融合して金融機関による新たな決済システムが構築されるようになるのではないかとも予想されている。

  • Ripple社 アメリカのブロックチェーン企業。情報が自由に行き交うインターネットのように、価値も自由に行き交うインフラの構築を目指している。同社の提供するソリューションとしてxCurrnet・xRapidなどがある。またILPといったプロトコルの発表も行っている。
  • SWIFT Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunicationの略称で国際銀行間金融通信協会と訳される。1973年より世界各国の金融機関に国際送金や証券取引などのサービスを提供している団体である。現在E2Eメッセージや取引追跡・取引の最適化などの機能を有するGlobal Payment Innovation(GPI)という国際金融インフラの開発を進めている。同協会は古くから国際インフラとして機能しており、すでに世界200ヵ国、1.1万もの金融機関が参加している。

 

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参考:日本経済新聞[海外送金を即時決済 日米欧の銀行、電子通貨構想]

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