ニュース

暗号通貨取引サイト、イラン在住者の利用禁止[アメリカ・イラン]

記事のポイント

  • 暗号通貨取引サイト、イラン在住者の利用禁止
  • アメリカの制裁とイランの制裁回避
  • イランによる暗号通貨経済圏の構築

個人間の暗号通貨取引サービスを提供するサイト[LocalBitcoins(ローカルビットコインズ)]がイラン在住者へのサービス提供を停止したことが明らかになった。イランでは現在、アメリカからの制裁を受けているほかFinCENが暗号通貨取引所に対してイランの取引状況を監視するよう勧告が行われている状況である。

 

LocalBitcoins、イランへのサービス停止

524日、個人間の暗号通貨取引サービスを提供するサイト[LocalBitcoins(ローカルビットコインズ)]がイラン在住者へのサービス提供を停止したことが明らかになった。

「残念ながら現在選択した地域(イラン)では、LocalBitcoinsの利用はできません。」

現在イランではアメリカからの制裁が再開され、経済的に不安定な状況になっており、暗号通貨取引サービスに関する需要が高まっている。同国法定通貨であるリアル(IRR)が下落した際には、それに反応してビットコインの価格が上昇するなどの動きもみられているほどである。また、イラン政府も制裁回避手段としてベネズエラやロシア同様に独自暗号通貨を発行し、アメリカを必要としない新たな金融体制を構築しようと準備を進めている。

ただ、アメリカもこの動きを認識しており、これを阻止するためにイランのデジタル通貨を利用した取引・資金調達を禁じ、イラン独自のデジタル通貨を販売・保持・利用した人物に対して制裁を加えるといった法案を提出したり、金融犯罪取り締まりネットワーク(FinCEN)がイランでの暗号通貨の利用を監視するよう暗号通貨取引所に勧告したりといった動きが見られている。

今回のLocalBitcoinsの動きは突然のものであり、現在制裁が行われ国際的な銀行口座を有さないイラン在住者にとって非常に利便性の高いサービスだっただけに、この禁止措置の暗号通貨市場への影響が今後徐々にみられてくるのではないかとされている。

  • FinCEN Financial Crimes Enforcement Networkの略称。アメリカの資金洗浄・テロ資金供与などの対策の一つである「銀行秘密法(BSA)」の執行機関であり、国家機関。2014年に暗号通貨ビットコインの決済代行者・取引業者を現金サービス事業者として位置付けて対応。

 

イランの制裁回避への動き

アメリカからの制裁が再開されたイランでは、制裁回避手段として独自暗号通貨を発行し、新たな金融体制を構築しようと動いている。2018年には制裁の影響で資産が流失するのを恐れ、禁止措置が取られていたが、今年1月に発表された草案では、個人の保有額などへの規制は存在しているものの、暗号通貨や個人ウォレットの利用を認める内容となっており、暗号通貨を中心とした経済圏構築のための準備が進められている。

  • 20184月 中央銀行、暗号通貨取引の禁止を発表
  • 20189月 暗号通貨マイニングが正式な産業へ
  • 20191月 中央銀行、暗号通貨に関する規制草案発表
  • 20192月 金を担保とした独自通貨[PayMon]発表

同国では、法定通貨を脅かす可能性、資金洗浄やテロ資金供与といった犯罪に利用される可能性から中央銀行(CBI)が暗号通貨取引の禁止を発表。しかしこれは、再開が予定されているアメリカからの制裁の影響を受け国内資金が流失することを恐れてのものだとみられていた。特に同国民は国際的な銀行口座を有さず、アクセス権限を保持していないため、暗号通貨取引を禁じることで、徹底的に制裁の影響で資金が流失するのを防ごうとした。その後、同国での独自通貨発行計画の準備が進められていると度々報道されていたが特に動きはないまま、20189月に暗号通貨マイニングが正式な産業として認められたと報じられた。しかし、このマイニングに関する法規制は存在していない。

そうした動きの中で2019年同年129日に中央銀行が発表した暗号通貨に関する規制草案では、ビットコイン・イラン政府による独自コイン・地域暗号通貨含む世界的な暗号通貨を認識し、承認するほかICOや個人ウォレットの利用などの利用が認められるなどの暗号通貨での経済圏構築のための具体的な準備が進められる。そして2月、同国で金の価値に裏付けられたステーブルコイン、「PayMon」が発表された。同コインは政府と同国企業Kuknos Compayとの共同で開発されているほか、Bank PasargadBank Melli IranParsian Bankなど様々な銀行とともに、Stellar(ステラ)のネットワークを活用して開発されたとされている。

  • ステーブルコイン Stablecoinはその名の通り、価格が安定したコインとなっている。法定通貨を担保として価値を安定させているものや他の暗号通貨と連動しているもの、スマートコントラクトで発行しているものなど様々な種類がある。暗号通貨の銀行口座を介さずに送金ができるメリットや法定通貨同様価格が安定しているメリットと、法定通貨と暗号通貨の利点を併せ持ったものとなっている。

 

まとめ

同国のほかにも、ベネズエラ・北朝鮮などの国で発行・研究開発が進められている。だが、その中でもイランはアメリカが離脱した「イラン核合意」の維持で世界的な緊張度を抑えたいと考えるイギリス・フランス・ドイツ・ロシア・中国の参加国が同国の金融取引・貿易体制を支援するための準備を進めており、ベネゼエラとは異なる独自通貨の発展がみられるのではないかと予想されている。

  • イラン核合意 正式名称は包括的共同行動計画(/JCPOA)。合意内容はイランが濃縮ウランや遠心分離機を大幅に削減し、それを国際原子力機関が確認したのち、見返りとしてイランへの経済制裁を段階的に解除していくというものである。実際にこの合意後イランは合意事項を遵守していることが確認され、機器の大幅削減などが盛り込まれ世界緊張度は緩和したが、各能力を維持した状態であることには変わりがなく、トランプ大統領は「致命的欠陥がある」と非難し、離脱した。

 

関連記事

 


参考:LocalBitcoins.com

関連記事

  1. 世界で暗号通貨業界健全化への動き

  2. 昨日(11/5)のニュースまとめ

  3. 分散型台帳技術・暗号通貨関連法案承認[マルタ]

  4. 新規口座開設キャンペーン[Liquid・BITPoint]

  5. 昨日(8/30)のニュースまとめ

  6. Zaif、フィスコへ事業譲渡決定[必要資金は新株発行で調達]

PAGE TOP

ニュース

ロシア、資金洗浄対策規制改定[暗号通貨関連取引]

ニュース

Arkcashの上場/サイトにアクセスできない[コインの森何でも相談室]

ニュース

ソフトバンク、キャリア間決済実証実験に成功[換金の必要なし]

ニュース

シンクロライフ、暗号通貨でeギフト購入可能に

ニュース

IOSCO、暗号資産に関する報告書発表[証券市場との共通論点]

ニュース

三菱UFJ銀行とGrab、資本業務提携へ[デジタル金融]

ニュース

昨日(2/18)のニュースまとめ

コラム

ポンド円でパターントレードを理解 “仏のR特別講義”