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匿名通貨モネロ、新たなPoWアルゴリズムへ切り替え計画

記事のポイント

  • 暗号通貨モネロ、非中央集権化への動き
  • PoWアルゴリズムをRandomXに切り替える計画
  • 匿名通貨モネロ(Monero/XMR)とは

暗号通貨モネロ(Monero/XMR)は、現在のコンセンサスアルゴリズム[CryptoNight]から、新たなPoWアルゴリズム[RandomX]に切り替える計画である。これは大手暗号通貨メディアCointelegraphが、同計画の監査資金をモネロ開発者と共同で提供するArwave社広報から情報を入手したことにより明らかとなった。

 

モネロ、中央集権化を防止へ

523日、分散型データストレージを利用したウェブサーバー環境の構築を目指すブロックチェーン開発企業Arweave(アールウィーブ)が大手暗号通貨メディアCoinTelegraph(コインテレグラフ)に「暗号通貨モネロ(Monero/XMR)が現在のコンセンサスアルゴリズム[CryptoNight]から、新たなPoWアルゴリズム[RandomX]に切り替える計画」であることを伝えた。この切り替えは10月に行われる予定で、この切り替えに関する約1640万円の監査資金をArweaveがモネロ開発社と共同で提供する。

モネロは高い匿名性・取引速度の速さから利便性の高いコインとして知られているほか、マイニングという特定用途に特化した集積回路ASICでのマイニングに対する耐性強化に注力していることでも知られている。ASICはマイニングに特化した高性能チップであるため、GPUCPUでマイニングを行うよりも低コストで効率的にマイニングを行えるものとなっているものの、このASIC市場は大手マイニング企業Bitmainが独占している状態であり、Bitmainの影響を受けやすくなってしまうことからイーサリアム(Ethereum/ETH)含めたコインが耐性強化を図りアップグレードを行っている。モネロでもこの体制強化のために6か月に1度アップグレードを行い、対ASICへの対策を講じていたが、この頻繁に行われるアップグレードはASICだけでなくマイナーにも影響を及ぼし、中央集権化が進む恐れがあるとして批判されていた。

今回の新たなPoWアルゴリズム[RandomX]への切り替えは、この中央集権化への対策となっている。[RandomX]ではもともとASIC耐性を備えたアルゴリズムであり、これまでのように修正を加える必要がなく、開発者による干渉を抑えることができるとされている。また、同アルゴリズムでは他者のCPUGPUを無断で利用して行うマイニングを隠蔽しにくくすることも期待されており、個人のプライバシーを保護、非中央集権化に進みながら、悪用を防ぐものへと変化しつつある。

  • コンセンサスアルゴリズム 承認方法・合意形成を意味し、その取引が正当なものであるかどうかを管理・検査するものとなっている。計算量によるPoWをはじめ、保有量や保有年数によるPoS、コミュニティへの貢献度・重要度によるPoIや各承認者をあらかじめ決めておいてそれらによる投票で決定するPoCと様々なものが存在している。
  • PoW(Proof of Work) 作業量で発言権を得る仕組み。マイニングを行うことで承認が行われるため、マイニングに携わる人が多ければ多いほど分散され、偏った承認は行われず、透明性の高い取引が可能になるとされている。しかし、マイナーが減ってしまえば、その過半数を悪意あるもので独占し、自身に都合のいい取引を承認させるようなことが比較的容易になってしまうという危険性もある。

 

匿名通貨モネロ(Monero/XMR)

モネロ(XMR)は高度な匿名技術と高いセキュリティ性能を誇る通貨である。誰が誰にどれくらいの資産を送ったのかが秘匿され、個人の取引におけるプライバシーが守られる暗号通貨となっている。同コインではリンク署名を実装しており、実際の取引時の署名者を不明にし、第3者へのアドレス開示を秘匿している。イメージとしては、昔の百姓一揆で誰が首謀者かわからなくするためのから連番と同じような感じだ。署名者同士を区別することもできない上に、まとまった額の送金であってもばらばらに分解して、混ぜて送金するために送信者をより特定しづらくなっているのだ。また閲覧用プライベートキーと送金用プライベートキーの2つから生成されるワンタイムアドレスは非常に長く、さらに送金を行う度に変化するため非常に複雑なものとなっている。こうした特徴から匿名性に特化した通貨として高い評価を得ている。

その一方で、その匿名性の高さから資金洗浄や脱税に使われる可能性が高いと問題視されてもいる。特にモネロは個人を特定できる情報を入力せずとも複数のマイニングプールにアクセスすることが可能、ブロックチェーンにも匿名でアクセスすることが可能であるため、犯罪集団が資金を調達するために同コインを利用することもあるとみられており、2018年に行われた調査ではモネロを対象としたマルウェアが53万件も検知されたことからその危険性が問われた。

しかしながら、この危険視される匿名性はデジタル化が進み他人に自分の動向が知られ、情報として利用されてしまうという環境の中で、個人のプライバシーと取引の自由を取り戻すものであり、「悪いもの」と断定し否定することはできない。

 

まとめ

ASIC体制強化の議論はさまざまなコインで行われており、新たなアルゴリズムの導入といった開発が行われているが、ASICもそれに合わせて開発・改良が行われていくため、これはいたちごっこのように繰り返されている。しかし、マイニングをより効率的に行いたいとしてASICを受け入れようとする考えを持つものもコミュニティ内に存在しており、コインの分裂も起きている。

 

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