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暗号通貨に関する改正案、衆院通過[G20・対日審査]

記事のポイント

  • 暗号通貨に関する改正案、衆院通過
  • 名称変更のほか、証拠金取引の規制

仮想通貨交換業者やその取引に関する規制強化を目的とした資金決済法・金融商品取引上の改正案が衆院の本会議を通過した。日本は6月開催されるG20で議長国を務めるほか、10月にFATFによる11年ぶりの対日審査も予定されており、暗号通貨含めた金融取引の資金洗浄・テロ資金供与に対する態勢整備が急がれている。

 

改正法案、衆院を通過

521日、仮想通貨交換業者やその取引に関する規制強化を目的とした資金決済法・金融商品取引上の改正案が衆院の本会議を通過した。同日、日本経済新聞によって報じられた。

この暗号通貨関連の法改正は、315日に閣議決定されたものであり、現在採用されている「仮想通貨」という名称が、国際的に採用されている「暗号資産」へ変更されるほか、仮想通貨交換業を営む業者に対しての顧客資産の管理態勢、広告・勧誘に関する規制。高いリスクが存在する証拠金取引への規制強化やICOの明確な定義、仮想通貨取引における不当な価格操作等の禁止など、国内で問題視されているものへの規制強化を行う中心として、業界全体での健全化が加速するのではないかという改正内容となっている。

今回は衆院で同改正案が可決されたが、このあと参議院の本会議審査が行われ、衆院・参院で可決された場合、同改正案が施行されることとなる。予定では20204月に改正法の施行が行われているとされている。

 

  • 資金決済法 資金決済に関する法律であり、銀行に限定していた国内外の送金業務を他業種にも認めることや、前払式支払手段(商品券・電子マネー等)の利用者保護の強化などを規定することを目的に制定された法律である。前払式支払手段・資金移動業・資金清算業の3つを柱とした法律となっている。
  • 金融商品取引法(金商法) 金融・資本市場を取り巻く環境変化に対応し、利用者保護とルールの徹底と、利便性向上・市場機能の確保及び資本市場の国際化への対応を目的としたものである。投資サービスに対する投資家保護法制・開示制度の拡充・取引所の自主規制機能の強化・不公正取引への厳正な対応の4つが柱となった法律である。

 

 

暗号通貨の証拠金取引規制

顧客の資産をコールドウォレットで管理することやICOやトークン発行に関する規制の明確化といった環境が大きく変わる内容となっている改正案だが、暗号通貨取引を行っている方にとっては、「暗号通貨の証拠金取引」の規制が行われることが一番の目玉となっている。

これまで暗号通貨に関しては資金決済法でしか規制を受けておらず、暗号通貨の証拠金取引に関しても、外国為替証拠金取引(FX)と同様以上の価格変動等の高いリスクが存在しているのにもかかわらず、FXのように金融商品取引法の規制は行われてこなかった。しかし、暗号通貨取引に参加する人々が増加しつつあること、FX同様のリスクが存在することから、同業界の健全な発展と消費者保護のために、金商法を適用しようという方針がでたのである。

これにより、これまで資金決済法上で「仮想通貨交換業者」として認可を得れば、暗号通貨取引と同様に暗号通貨の証拠金取引の提供ができた交換業者は、金商法上で認可を得なければサービスは提供できなくなってしまうのである。現在サービスを提供している業者は同法案施行後、1年半という期間内に認可を得る必要があるとされている。これは、「仮想通貨交換業」に関する登録制度を設けた際に、既存サービス業者に対して審査期限を設けなかったことで審査が長期化し、未だ登録が完了せずに「みなし業者」として審査を通過せずともサービス提供ができてしまっているという状況を反省してのことだとみられている。

この法改正の動きを受け、証券業へ参入しようと動く企業や証券業者と提携し新たなサービス開発を目指す企業などさまざまな動きが見られている。

  • 証拠金取引 担保となる資金(証拠金)を預け入れ、その資金を証拠として売買を行う取引のことを意味する。この取引では、売買のたびにその取引に係る資産を動かすのではなく、決済時に売買で生じた損益の差額のみを取引(差金決済)する。実際の資産移転は伴わないために、売りから始めることも可能で、相場状況に係わらず利益を得ることが可能だとされている。

 

まとめ

暗号通貨取引に関する国際的なガイドラインを6月に公表する予定だとしているFATFの動きも気になるところだが、日本は同月開催されるG20で議長国を務めるほか、10月にFATFによる11年ぶりの対日審査も予定されており、暗号通貨含めた金融取引の資金洗浄・テロ資金供与に対する態勢整備が急がれる。この改正案が施行されることで国内の健全な発展が期待されるとともに、暗号通貨の定義見直しや税率変更を求める声が大きくなるとみられる。

  • 金融活動作業部会 Financial Adtion Task Force(FATF) 麻薬・賄賂・脱税に係る資金洗浄やテロ資金供与への国際的な対策を協議する国際的な政府機関である。G7を含む35か国と2つの地域機関(欧州委員会・湾外協力会議)が加盟している。

 

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参考:日本経済新聞[仮想通貨、「暗号資産」に 証拠金取引の規制対象に追加 金融商品取引法改正案が衆院通過]

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