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イスラエル警察・FBI,ダークウェブの取り締まり[暗号通貨関連犯罪]

記事のポイント

  • 欧州刑事警察機構、暗号通貨関連犯罪捜査本格化
  • イスラエル警察とFBI,ダークウェブの取り締まり
  • 既存インフラを必要としないネット取引

欧州刑事警察機構(EUROPOL)をはじめとする各国取り締まり機関らが、暗号通貨関連犯罪の手口解明・取り締まり強化に動いている。

 

ダークウェブサイトの取り締まり

53日、ドイツとアメリカの捜査当局そしてEUROPOLが、100万人以上が利用していた世界最大級のダークウェブサイト[the Wall Street Market]の摘発・サイト閉鎖に成功したことが報じられたが、57日にはイスラエル警察とアメリカ連邦捜査局(FBI)でダークウェブサイト[Deep Dot Web]の取り締まりにも成功したことが報じられた。

上記のようなダークウェブサイトでは、ネット上で決済が完結する暗号通貨が好まれて利用されたりもするが、最近ではこの暗号通貨を悪用した捜査に関しても、取り締まり当局が本格的に捜査を進める体制となっており、暗号通貨の犯罪利用も徐々に抑制されていくのではないかとみられる。

 

  • ダークウェブ 個人情報や武器、麻薬、ウイルス、偽造書類、盗まれたクレジットカードなど違法な物品を販売しているコンテンツ。暗号化技術により多数の中継サーバーを通じてアクセスし、身元情報を保護し匿名性を保証しているため、ダークウェブの利用者を追跡することは困難になっている。
  • EUROPOL(European Police Office) 欧州刑事警察機構。欧州連合(EU)の専門機関の一つで、警察捜査は行わず、EU加盟国間での情報交換促進・情報・機密事項の収集や照合分析などといったことを主として行い、EU内での捜査支援を行っている。情報交換・情報分析・専門技術の提供・訓練支援で捜査を円滑に進める。

 

 

 

既存インフラを必要としないネット取引

58日、EUROPOLが、スペインを拠点とした暗号通貨を利用した資金洗浄サービスの実態解明支援を行っていたことが、同機構プレリリースによって明らかとなった。同プレリリースによると、同サービスでは法定通貨から暗号通貨への送金を複数回繰り返すことで、資金洗浄を行っていたようである。この中の手口としては、手軽に利用でき出所を隠しやすい暗号通貨ATMを活用していたようである。特に暗号通貨やネット取引では、すでに資金洗浄やテロ資金供与対策を整えている既存の金融機関による金融インフラを必要としないことから、その対策網を回避することが容易であり、こうした犯罪行為が行われやすい環境になっているのだという。

こうした状況からか、59日にはアメリカの金融犯罪取り締まりネットワーク(FinCEN)が暗号通貨ATMdAppsといった暗号通貨の送金・受取を行うサービスに関しては、既存の金融サービス同様に銀行秘密法の対象となることを明らかにした。

暗号通貨もそうだが、情報通信技術が発達した現代ではP2P取引が容易であり、これまでのように金融機関や決済会社を取引の仲介者としておくことを必要とせず、取引を行う者同士で直接、ネット上で取引を完結させることが可能となっている。そのため、これまでのような金融機関や決済会社が「疑わしい取引」として報告することや疑わしいものに対する対策は、オンライン上でなかなか活用できない状態にあるのである。

ただ、暗号通貨に関して言えば、取引は匿名通貨であろうとか必ず取引記録は残り、それが動かぬ証拠となる。匿名化技術が行われることで、どのアドレスからアドレスへどれくらいの資産が動いたのか、といった内容を知ることやアドレスそのものを追跡するのは困難になるものの、現金とは異なり確実に取引が行われたという証拠は残るのである。そうした特性から、暗号通貨は犯罪利用されやすいものでありながら、犯罪捜査を円滑に進めるための心強い証拠となるとされている。

 

  • FinCEN Financial Crimes Enforcement Networkの略称。アメリカの資金洗浄・テロ資金供与などの対策の一つである「銀行秘密法(BSA)」の執行機関であり、国家機関。2014年に暗号通貨ビットコインの決済代行者・取引業者を現金サービス事業者として位置付けて対応。
  • 銀行秘密法(/BSA) 資金洗浄やテロ資金供与対策として作成された法律。金融機関が疑わしい取引であると判断した場合に報告書を作成したり、特定の金額を超える取引を行う場合にはリストを作成したりすることで、金融機関が不正行為に利用されることを防ぐことを目的としている。

 

まとめ

法定通貨のデジタル化や個人間送金サービスの発達などによって、今後もネット関連犯罪は増加していくとみられている。しかしながらネットでの殺害予告や誹謗中傷、暗号通貨の不正利用といったネット犯罪では証拠が残るために、取り締まり当局である一定の技術知識が存在すれば、取り締まることは容易になるのではないかともされている。

 

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