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シンガポール・カナダ間でのDLTを利用した国際間取引[中央銀行による共同実験]

記事のポイント

  • シンガポール・カナダ間でのDLTを利用した国際間取引
  • デジタル通貨で、第三者を介さない取引
  • JPモルガンのQuorumR3Corda

52日、シンガポールの中央銀行とカナダの中央銀行は共同で、分散型台帳技術を使用したデジタル通貨の国際間取引に関する実験を完了・成功したことを発表した。

 

中央銀行によるDLT活用実験

今回の両国間での実験は分散型台帳技術(DLT)プロジェクトに一環であり、それぞれが持っている分散型台帳技術ネットワークを接続して行われた。これは、中央銀行の業務効率化・コスト削減を目的としたものであり、今回の実験は成功したとされている。

シンガポールの中央銀行にあたる通貨金融庁(MAS)DLTネットワークとして、大手金融機関JPモルガンが提供するイーサリアム(Ethereum)基盤のプラットフォーム[Quorum]を活用した[Project Ubin]。カナダの中央銀行は多種多様業種間での活躍が期待されSWIFTとの連携も発表されたフィンテック企業R3社が開発するCordaを活用した[Project Jasper]を有している。これらそれぞれが保有するネットワークを接続することで、これまで利用してきたものを継続して利用しながら、利便性の向上を狙った。

今回のそれぞれのネットワークを接続しての国際間取引は成功しており、各国で進められているブロックチェーン・分散型台帳技術を活かしながら、世界各国で協力した新たな国際送金が誕生するのではないかと期待される。

  • MAS(Monetary Authority of Singapore) シンガポールの通貨管理局であり、中央銀行。外為基金の管理や銀行業などの金融業に関する監督、通貨制度の維持が主な業務とされている。「規制はイノベーションの助けとならなければならない」とし新たな技術への理解・熟慮された規制整備をおこなうための動きが強く、新技術に対して友好的。

 

  • Quorum PモルガンがEthereum上で構築したブロックチェーンプラットフォーム。これを活用した銀行情報ネットワーク[Interbank Information Network/IIN]は、取引情報の透明性を高めるとともに、銀行間で情報共有が可能となるため取引でみられる資金洗浄やテロ資金供与といった不正行為・犯罪行為への防止策としても有効だとされ、注目を集めている。Microsoftが提供するAzure Blockchain Service上での利用も可能なプラットフォームである。
  • R3 分散型台帳技術を開発する企業であり、ブロックチェーン技術を金融システムで利用するための研究開発コンソーシアムでは、世界各国中央銀行や規制機関を含めた各種業界300団体が参加しCorda開発を進めている。このCordaでは、貿易金融・保険といった金融業・不動産業と幅広い分野での活用が目指されている。
  • 分散型台帳技術 データを複数のサーバーで保管する技術のこと。特定の管理者をおかずに、参加者が同じ台帳を共有しながら管理を行うため、一つの巨大なサーバーを作る必要はなく、みんなで情報を共有するためにデータ破壊などの脅威に強い。必ずしもブロックチェーン技術のようにデータを一本の鎖のようにつなげ保管・管理する、というわけではない。

 

 

まとめ

ブロックチェーンや暗号通貨の活用に関しては、それぞれを指す名称や技術の定義が異なるように、各国でバラツキがみられている。だが、いずれの国でもキャッシュレス決済などといったデジタル化、ネットで完結するシステムへの取り組みは行われている。こうした研究開発が進められるのと同時に、暗号通貨や技術の定義・名称の世界統一化が進められることが、同分野の健全な発展に必要なことだとされている。

 

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参考:SingaporeGovemment[Central Banks of Canada and Singapore conduct successful experiment for cross-border payments using Distributed Ledger Technology]

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