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暗号資産に関する法規制改正案の内容[ICO・不公正取引・交換業]

記事のポイント

  • 資金決済法・金融商品取引法の改正
  • 情報通信技術の進展に伴う取引の多様性に対応するため
  • 暗号資産の交換・管理や不公正な行為への対応

315日、日本政府は閣議で、情報通信技術の発展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律の一部を改正することを決定した。これにより暗号通貨関連事業を営む業者にはさらなる対応と同業界で問題視されていた不正に関してもより厳しく取り締まりが行われるようになる。

 

法律案の概要

【法律上の名称「仮想通貨」から「暗号資産」へ】で紹介したように、今回の改正では国際的な場での暗号通貨の呼称の統一化のために法律上の名称を「仮想通貨」から「暗号資産」へ変更することも盛り込まれているほか以下のものが案としてある。

〈暗号資産の交換・管理に関する業務への対応〉
  • 暗号資産交換業者に対し、顧客の暗号資産は原則として信頼性の高い方法(コールドウォレット)での管理を義務付け。それ以外の方法で管理する場合には別途、それに見合う金額・弁済原資(同種・同省の暗号資産)を保持することを義務化。
  • 暗号資産交換業者に対し、広告・勧誘規制を整備
  • 暗号資産の管理のみを行う業者(カストディ・ウォレット業者)に対し、暗号資産交換業の規制のうち暗号資産の管理に関する規制の適応化
〈暗号資産を用いた新たな取引や不公正な行為への対応〉
  • 暗号資産を用いた証拠金取引について、外国為替証拠金取引(FX)と同様に、販売・勧誘規制等を整備
  • 収益分散を受ける権利が付与されたICOに関しては、金融商品取引の対象になることを明確化し、株式等と同様、投資家への情報開示制度や販売・勧誘規制等の整備
  • 暗号資産の不当な価格操作等を禁止

今回の改正案では、上記の通り暗号資産分野でのものが大部分を占めているが、このほかにも、「情報通信技術の進展に伴う金融取引の対応に対応するため」に、金融機関の業務に顧客に関する情報をその同意を得て第三者に提供する業務の追加、や保険会社の子会社対象会社に、保険業を関連するIT企業等を追加といった内容も組み込まれており、フィンテック分野の成長を促したいとする金融庁の動きがみられるものとなっている。

 

資金決済法・金商法の改正

今回の改正案に関しては、これまで金融庁で敵的に開催されていた「仮想通貨交換業等に関する研究会」で議論されてきた内容であり、同庁が昨年12月に公表した「報告書案」で、必要とされていた法規制・対応に沿ったものである。

  • 仮想通貨交換業者を巡る課題への対応
  • 仮想通貨の不公正な現物取引への対応
  • 仮想通貨カストディ業務への対応
  • 仮想通貨デリバティブ取引等への対応
  • 仮想通貨信用取引への対応
  • ICOへの対応
  • ICOに係る規制の内容
  • 業規制の導入に伴う経過措置の在り方
  • 「仮想通貨」から「暗号資産」への呼称変更
〈資金決済法〉
  • 顧客への弁済原資の確保
  • 匿名通貨の取り扱い禁止
  • 仮想通貨から暗号資産への名称変更
〈金融商品取引法〉
  • 証拠金取引に登録制度・倍率上限設定
  • 投資型ICOへ登録制導入・ICO審査
  • 風説の流布禁止

特に悪用されていたICOに関しては、収益分散を受ける権利が付与したものであれば金融商品取引法が適応され、投資家への情報開示が求められるようになる点や暗号資産交換業者に資産管理についての義務が課されるのは、国内での市場の健全化に大きく貢献するのではないかと期待される。

 

まとめ

201810月に一般社団法人日本仮想通貨交換業協会は認定資金決済事業者協会(認定協会)としての認可を受け、暗号通貨を取り巻く環境に応じた、利用者保護を目的とした自主規制の策定・見直し・モニタリング等が行えるようになった。これにより、法規制の改正での対応ではなく、柔軟な自主規制で利用者保護に動ける環境となっている。しかし、今回暗号資産分野でこうして法改正が行われることで、より国内の健全化は促されるのではないかとみられる。あとはその「資産」という名称にふさわしく税制の見直しを行い、取引が行いやすくなるように期待したい。

 

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参考:金融庁[「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための 資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案」]

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