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ECCB、世界初となるCBDC発行の準備進める[各国の取り組み促進させるか]

記事のポイント

  • 世界初、中央銀行発行デジタル通貨
  • 東カリブ中央銀行が試運転
  • 世界のデジタル通貨への動きに影響は

米国の大手企業Overstock社の子会社であるBitt社は、東カリブ諸国機構の中央銀行(Eastern Caribbean Central Bank/ECCB)と連携し、CBDC発行の試運用を実施する事を発表した。CBDCへの動きは同国内でのこれまでの産業が大きく変化するだけでなく、世界的なCBDCへの取り組みを大きく推し進める可能性のあるものであるため、世界的に注目されるものだ。

 

世界初のCBDCへの取り組み

中央銀行がブロックチェーン上で法定通貨を発行するデジタル通貨。世界で技術の進歩によるデジタル化が加速したことにより、いまある「電子マネー」のようなものではなく、各中央銀行が直接デジタル通貨を発行していくという計画が現実味を帯びてきており、その実現・実用化に関する様々な研究開発・検討・議論が行われている。国内でも日本銀行は欧州中央銀行と協力して研究を行ったり、国内の技術センターで研究が進められたりしている。

しかし、否定的であろうと肯定的であろうと各国ではまだ調査段階・議論の段階から進んでおらず、今回のように実際にデジタル法定通貨を発行してみようという試みは世界で初のものとなる。この試運用ではBittのブロックチェーン技術を活用して、法定通貨東カリブドルをデジタル化し、ブロックチェーンで発行したデジタル東カリブ・ドル(DXCD)を発行。12か月間にわたって行われる。このCBDCの発行が初という点で注目を集めているが、これは「検討」のための実験ではなく「確認」のための実験であり、すでに民間での利用を検討している段階である。

  • 中央銀行デジタル通貨 (Central Bank Digital Currency/CBDC)中央銀行が発行するデジタルコインのことを指す。日銀は「デジタル化されていること」「円などの法定通貨建てであること」「中央銀行の債務として発行されること」の3つの条件を満たしたものをCBDCとしている。資金洗浄・テロ資金供与対策につながることや現金の発行・管理コストが抑えられることなどが注目されているものの、発行量や利用範囲・保有・発行形態など、発行したのちの影響だけでなく、発行するにあたっての議論も多く存在している。

 

CBDCへの関心

CBDCに関しては世界各国で盛んに議論されているほどの注目を集めている。ただ、否定的な考えを持つ中央銀行だけでなく、肯定的な中央銀行でも、実際に発行して利用してみなければCBDCが市場にどのような効果・影響をもたらすのかわからないため、どの国も議論の域を出られないままでいる。そんな中での同国の取り組みはこれら肯定派の取り組みを促進させるとともに、否定派の考えを変えることも期待されている。もちろん、逆の可能性もある。

 

CBDCの影響

そもそも中央銀行は、一般企業や個人に直接信用を供与することはそもそも想定されておらず、銀行の銀行として機能している。それが、デジタル通貨の発行のために銀行券だけでなく預金も代替していった場合、銀行を通じた資金仲介を縮小させる可能性ある。一方で、民間銀行は、預金を発行するとともに期間変換を通じて資金仲介を行い、支払決済手段としての預金の提供という形で取引の効率性に寄与しつつ、民間イニシアチブを通じた資金の効率的配分にも貢献している。そのため、中央銀行がデジタル通貨を発行し、銀行券にとどまらず預金まで代替していった場合には、今まで効率化に貢献していたものが消え去り、経済全体としての資金配分の非効率性に繋がるリスクが考えられるのである。間接的に市場に携わってきた中央銀行が「CBDC」の発行によって直接的な存在となり、市場・政策に大きな影響を及ぼすことが良くも悪くも指摘されているのである。

ただ、このCBDCを「金融機関内でのみ利用できるようにする」といったように利用制限や範囲を設けることで影響力の制限を設けようとする考えも存在している。

 

まとめ

今回の東カリブ諸国によるCBDCへの動きは同国内でのこれまでの産業が大きく変化するだけでなく、世界的なCBDCへの取り組みを大きく推し進める可能性のあるものである。その成果次第では、他のCBDCに前向きな国々の動きを促進させることも考えられ、ひいては暗号通貨業界を盛り上げるものとして機能することも考えられる。

 

 

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参考:Overstock[Medici Ventures Celebrates Portfolio Company Bitt’s Historic Central Bank Digital Currency Pilot with the Eastern Caribbean Central Bank]

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