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金融庁、暗号通貨での出資規制を行う方針[産経新聞]

記事のポイント

  •  暗号通貨での出資規制か
  • ICOへの規制同様、悪用を防止
  • 進む、国内の法規制整備

1月8日産経新聞は、金融庁が暗号通貨での出資も金商法の規制対象とする方針であることを報じた。金融庁は以前から暗号通貨への法規制改正のために、資金決済法・金商法を改正する意向を示していたが、今回の方針はさらに範囲を広げたものとなっており、ICOへの規制と合わせたものになるのではないかとみられる。 

 

暗号通貨での出資規制へ

産経新聞は「金融庁は金融商品を手掛ける事業者が現金ではなく仮想通貨で出資を募った場合も、金融商品取引法(金商法)の規制対象とする方針を固めた(原文ママ)と報じた。

金融庁は20181214日に、第11回目となる仮想通貨交換業等に関する研究会を開催し、これまでの検討結果をまとめた報告書を公開、この報告書をもとに資金決済法・金融商品取引法の改正を行う方針であるということが明らかとなっていた。その改正案では「仮想通貨交換業」に対する法規制が中心となっていたが、今回の方針は仮想通貨交換業だけではなく、暗号通貨で資金調達を行おうとする事業者を規制することになっている。

これは金商法の暗号通貨に関する法規制が整っていないことを利用した詐欺が横行したことに対する防止対策となっている。現在の金商法では無登録業者が金銭による出資を募ることは禁じているが、暗号通貨による出資を禁じる文言は存在しない。暗号通貨は定義上通貨ではないため、暗号通貨に関する文言がなければ「無登録業者が暗号通貨で出資を募ること」は違法ではなくなる。こうしたことから金融商品を販売する認可を得ていない者が、暗号通貨で出資を募り、資金を持ち逃げする詐欺が存在していた。国内では「日本円からいきなりアメリカドルに換金すると法律に触れる」とし、暗号通貨で出資を行うように促していた詐欺集団が存在していた。

法規制改正

昨年に発表した報告書では以下の点に関する法規制・対応案がまとめられていた。

  1. 仮想通貨交換業者を巡る課題への対応
  2. 仮想通貨の不公正な現物取引への対応
  3. 仮想通貨カストディ業務への対応
  4. 仮想通貨デリバティブ取引等への対応
  5. 仮想通貨信用取引への対応
  6. ICOへの対応
  7. ICOに係る規制の内容
  8. 業規制の導入に伴う経過措置の在り方
  9. 「仮想通貨」から「暗号資産」への呼称変更

現在、仮想通貨交換業を規制している資金決済法のほか金融商品取引法での改正が行われるとみられているが、枠組みとしてはこうしたものになるのではないかと予想されている。

〈資金決済法〉
  • 顧客への弁済原資の確保
  • 匿名通貨の取り扱い禁止
  • 仮想通貨から暗号資産への名称変更
〈金融商品取引法〉
  • 証拠金取引に登録制度・倍率上限設定
  • 投資型ICOへ登録制導入・ICO審査
  • 風説の流布禁止

特に詐欺が横行し、被害も多く確認されているICOに関する法規制が整備されるとみられており、今回の「暗号通貨での出資規制」は、このICOへの法規制と合わせて行われるのではないかとみられる。

 

  • 金融商品取引法(金商法) 金融・資本市場を取り巻く環境変化に対応し、利用者保護とルールの徹底と、利便性向上・市場機能の確保及び資本市場の国際化への対応を目的としたものである。投資サービスに対する投資家保護法制・開示制度の拡充・取引所の自主規制機能の強化・不公正取引への厳正な対応の4つが柱となった法律である。
  • 資金決済法 資金決済に関する法律であり、銀行に限定していた国内外の送金業務を他業種にも認めることや、前払式支払手段(商品券・電子マネー等)の利用者保護の強化などを規定することを目的に制定された法律である。前払式支払手段・資金移動業・資金清算業の3つを柱とした法律となっている。

 

まとめ

法規制整備に関して「いつになったら仮想通貨を認めてくれるのか」と批判的な反応を示す方も見受けられたが、法規制整備はその業界が健全に発展していくうえで必要不可欠な存在である。今回の「暗号通貨での出資を規制する」方針も、認可を取れる健全な業者へは暗号通貨で出資することが可能であり、「暗号通貨での出資」そのものを禁じているわけではない。過度ではなく、適正な法規制はその業界の発展を促進させる効果もある。規制に批判的にならず、その法規制がどのような目的で行われ、どのような効果をもたらすものなのかを考えていく必要があるだろう。

 


参考:産経新聞「仮想通貨での出資も規制 金融庁が法令改正へ」

本記事は暗号通貨に関する情報提供を目的としたものであり、暗号通貨の購入・取引を進めることを目的としたものではございません。暗号通貨への投資を検討する際は、暗号通貨が法定通貨とは異なり、国家によって価値が保証されたものではなく、価格変動リスクが存在するものだということを理解したうえで、自己判断・自己責任で行ってください。また、取引を行う際には、それが取引サービスを提供することを金融庁・財務局に認められたものであるかどうかを確認してから行ってください。

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