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国家治安の維持かプライバシー保護か[テレグラム]

記事のポイント

  • イラン政府、テレグラムに対し警戒心強める
  • 国家治安の維持かプライバシー保護か
  • ブロックチェーン技術の脅威

インターネットが普及し、プライバシーの意識も向上しつつある今、国家の治安維持とプライバシーの保護は対立関係にある。どちらも自分の身を守るためには必要ではあるからこそ、どちらに重きを置くかが問われている。

 

テレグラムへの警戒心

イラン政府はメッセージチャットサービスであるテレグラムに対する警戒心を強め、テレグラムが発行を予定しているトークンに関しても同様に警戒心を強めるとともに、国民に警告を行った。同国では以前からテレグラム利用を禁止する考えが浮上していた。

テレグラムは利用者のプライバシーを優先した非営利団体によって開発されており、通信記録はすべて暗号化することで、第3者が通信内容を検閲することができないようになされている。さらには、その暗号か内容を盗み見ようとする外部からの侵入に備え、セキュリティの脆弱性を発見した利用者に対しては報酬金として約1000万円を贈呈しているなど、個人のプライバシー保護に注力している。テレグラム創始者は「プライバシーは人が生まれながらに持つ権利である」とし、この日々プライバシー強化に努めている。

個人間のプライバシーは守られる必要があるのは確かであり、一般大衆の中でそうした個人情報に関する意識が高まることは、個々人が自分の身の安全を守るために必要なことである。しかし、このプライバシー意識の向上は法執行及び国家安全保障の立場から見れば、煩わしい存在となる。

実際にイランでは201712月に起きたデモで、テレグラムが利用した可能性が高いことから禁止を検討する考えが浮上していた。また同国以外でも、2017年にロシアのサンクトペテルブルクで起きた自爆テロでは、このテレグラムが通信手段に利用されたとみられており、ロシア政府機関がテレグラムに対し通信内容を公開するよう要求していた。

 

国家の治安維持かプライバシー保護か

以前[ブロックチェーン技術が脅威となりえる理由]で、ブロックチェーン技術やその根幹にある暗号化や暗号化の歴史を紹介させていただいたように、暗号には「暗号作成者」と「暗号解読者」が存在する。

上記の記事では、国家機密情報を敵対国から守るために、敵対国から情報を盗み自国を守るために、と敵対関係にあるもの同士での紹介となったが、今回はそうではない。国家の治安維持は国民にとっては必要なことである。しかしだからといって、すべての情報を国に管理されたくはない。別段やましいことがなくとも、他人にスマホを度々検査されるのは不快だと感じるようなものである。「危険人物だけ監視対象にすればよいのではないか」という考えもあるが、それでは一度危険とみなされたものにはプライバシーを保護することも許されないのか、という問題もある。また人がいつどのような行動に出るかわからない以上、できる限り多くの情報を集めたいとするのは、治安維持のためには効率的なものである。最も、イランは人権侵害や核開発などの問題から制裁を受けており、そうした状況からも国民の動きを制限・監視したいため、こうした暗号通信手段は禁止したいのだとみられる。

  • ブロックチェーン技術 取引履歴を暗号技術によって過去から一本の鎖のようにつなげ、取引履歴・情報を正確に維持しようとする技術であり、P2Pネットワークを利用することで中央管理者を必要とせずにシステムを維持することが可能なものとなっている。データの改ざん・破壊に強いという特徴を持つ。

 


参考:TEHRANTIMES「‘Aiding Gram cryptocurrency constitutes criminal act’

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