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疑わしい取引、去年のおよそ9倍に[警察庁公表]

記事のポイント

  • 暗号通貨、疑わしい取引急増
  • 本人確認・取引記録保存の徹底求められる取引所

 警察庁の公表により、暗号通貨交換業者が疑わしい取引と届出を出した件数が去年のおよそ9倍の5944件になったことが明らかとなった。

 

疑わしい取引、増加

6日警察庁が公表した、犯罪収益移転危険度調査書で、暗号通貨交換業者が疑わしいと届出を行った取引が20181月から10月に計5944件あったことが分かった。

この届出制度は、犯罪収益移転防止法に定められており、事業者がそれぞれの所管行政庁に届け出た情報は、国家公安委員会が集約して整理・分析を行った後、都道府県警察、検察庁をはじめとする捜査機関等に提供され、各捜査機関等において、マネー・ローンダリング事犯の捜査等に活用されている。金融機関やクレジットカード会社などに義務付けているもので、暗号通貨交換業者は2017年から義務付けられた。

2017年に報告された件数は669件だったことを考えると、今回の5944件はそのおよそ9倍となる。ただ、これは暗号通貨の疑わしい取引そのものが増えたというだけではなく、交換業者に届け出制度が定着してきた影響もあるとみられている。

 

犯罪収益移転危険度調査書とは

国家公安委員会は、2015年から毎年、犯罪収益の移転に係る手口等に関する調査及び分析を行った上で、特定事業者等が行う取引の種別ごとに、当該取引による犯罪収益の移転の危険性の程度等、当該調査及び分析の結果を記載した犯罪収益移転危険度調査書を作成し、公表をおこなっている。

201711月に作成及び公表した同調査書では、金地金の密輸入事犯、国境を越えて行われる資金洗浄事犯等、近年の犯罪収益の移転に係る特徴を踏まえた分析の結果等を記載しており、特定事業者は、同調査書の内容を勘案するなどして、取り扱う取引が犯罪収益の移転に悪用されることを効果的に防止することが求められている。

 

収益移転防止法の改正

201741日に施工された収益移転防止法の改正事項では、危険性(資金洗浄のリスク等)の認められる商品・サービスを提供していることから、暗号通貨交換業者を特定事業者に追加し、監督の強化・立ち入り検査等の取り組みが行われた。

(警視庁:犯罪収益移転危険度調査より)

これらの取り組みで手口などに対する理解を深められた成果として、今回のように「疑わしいとみられる取引」の報告がきちんとなされ、対処が行われたのだろう。

 

まとめ

暗号通貨に対する国際的な規制整備が予定されていることからもわかるように、今後も暗号通貨取引に対する監視は厳しくなっていくだろう。だが、現金とは異なり、きちんと態勢を整えれば透明性の高い取引が可能で、安全なものへと変化していくだろう。

 


参考:犯罪収益移転危険度調査書

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