ニュース

日本のデジタル化に向けた規制[金融審議会]

記事のポイント

  • 金融庁、金融審議会「金融制度スタディ・グループ」開催
  • 各協会の意見・要望
  • 利便性向上のための革新を促進するためには

 デロイトトーマツグループが今年5月に世界17か国、約1.4万人を対象にした銀行顧客のデジタル活用の調査で、日本のデジタル利用率は24%にとどまっていることが判明した。この調査の中で日本は再開であると同時に、銀行満足度も低かった。だが日本でも政府主導のもとキャッシュレス化のための法規制改革の検討は進められている。この状況からどういった規制や取り組みを行うことで改善を行う方針なのか注目していきたい。

 

金融審議会

1025日に金融庁で平成30事務年度第2回となる金融審議会が行われた。これには資金決済事業協会・日本クレジット協会・新経済連盟・フィンテック協会・全国銀行協会が参加し、以下のことが検討された。

  • 情報の適切な利活用
  • 決済の横断法制
  • プラットフォーマーへの対応
  • 銀行・銀行グループに対する規制の見直し

 既存の金融機関のほかにフィンテック企業などが適切にサービスを提供できるよう、決済分野や機能に応じた法規制を設計していく必要があるのではないかとされた。また銀行に対する規制の見直しでは現行の法規制が、現在の環境に適切ではなくなってきているということから見直し・改正を行う必要があるとされた。

  • 一般社団法人日本資金決済事業協会  今後の課題として「資金移動業者の取引額に係る上限の見直し」を上げた。同事業は資金決済法の施行以降参入が相次いでおり、業者数・取扱件数・金額ともに増加傾向にある。銀行窓口だけでなくATM・ネットバンキング・コンビニ入金など様々な手段での入金方法が可能な点、取引速度が速い点、取引手数料が安価な点などから今後も同事業は拡大していくとみられている。ただ、現在の規制では同事業者は1回当たり100万円相当額を超える送金の取り扱いは禁止されており、これらの利便性が生かし切れていない状況にある。フィンテック企業などが今後決済送金事業へ本格参入する際にこの規制は大きな損失だとみられる。
  • 一般社団法人日本クレジット協会  リスクに即した規制だけでなく、ICT技術等の活用でリスク管理を行う、という視点の重要性や既存の規制が本当にリスクに即した規制となっているかの見直しを行うべきという意見を述べた。
  • 新経済連盟  革新を促進させるために事前規制は最小限度にすべきだとし、そもそも「リスク」とは具体的にどのようなものか、どのような状況を持って判断するのか具体的な事業を例に検討しなければ有効的な法規制の検討はできないとした。「法規制を行う」前提で議論を進めるのではなく、具体的にどのような業界で、どのような危険性があって行うのかを明確にする必要があるとし、法規制には慎重な姿勢を示した。
  • 一般社団法人Fintech協会  「Fintech産業では利用者のニーズに合わせてサービスが設計されていくため、複数の業態をまたぐサービス提供を行っている企業が多い」という現状から事業者に基盤となる登録制度を導入し、サービスの機能ごとに届出を行うような横断的な制度を設ける要望と、資金決済事業協会と同じく資金移動業における上限規制の緩和の要望が行われた。
  • 一般社団法人全国銀行協会 「銀行・非銀行ではなく多様な事業者と競争が促進されていくことで利便性は向上し、利用者がより良いサービスを選べる社会になる」ことが重要だとし、そのためには同一の機能・同一のリスクには同一のルールを適用することが重要だとした。「銀行であるかどうか」によって規制を緩めるのではなく、機能・リスクに合わせた規制を提要させることが必要であるとしている。

 

 日本のキャッシュ決済比率

 日本のキャッシュレス決済比率に関する推計は調査によって異なる。政府の「未来投資戦略2018」では銀行口座間送金等をカウントしないキャッシュレス決済比率は21%だったが、FIN/SUM2018における日本総合研究所のキャッシュレス実態調査ではそれを上回る5割程度という推計も出ている。調査の手法(インターネットアンケート・聞き込み)によって対象にも偏りが出るため、一概にどれが正しいとは言えないが、2015年時の18%よりも上昇傾向にあるのは確かだ。政府は2025年にこの比率を40%まで引き上げる目標を掲げている。この比率が上昇することでレジ管理などの負担は大幅に減り、個人決済だけでなく団体での決済もスムーズなものになっていくことが期待されている。また決済ストレスが減ることで購入を促進することにも期待されている。

 

参考:金融庁事務局 資金決済事業者協会   一般社団法人日本クレジット協会 新経済連盟 一般社団法人全国銀行協会

関連記事

  1. ICOの管理者を装った詐欺師の犯行

  2. 半年間用意周到な犯人の動き、コインチェック事件

  3. シンガポール、金融当局がFinTech分野の研究に巨額の出資を決定

  4. おかえり!金塊ハンター

  5. FATF、規制に対して本格的に動き出す

  6. Zaif資金繰りも炎上か

PAGE TOP

ニュース

政府への信頼[政府統計・公文書の管理]

ニュース

イスラエルで機関投資家向け暗号通貨ファンド運用開始

ニュース

取引量急増、注目集まるファクトム(FCT)とは?

ニュース

昨日(11/19)のニュースまとめ

ニュース

BCHに対する取引所の対応[名称や取り扱い]

ニュース

暗号通貨のETP上場、世界への影響

ニュース

日本の決済環境を変えるのは

ニュース

昨日(11/18)のニュースまとめ