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法定通貨と暗号通貨[日銀副総裁の講演]

記事のポイント

  • 日銀副総裁「デジタル発行する計画はない」
  • 暗号通貨が決済手段として普及する可能性は低い
  • これまでの取り組み

日本銀行副総裁雨宮正佳氏は、1020日開催の日本金融学会2018年度秋季大会のなかで「マネーの将来」というテーマで特別講演を行った。日本銀行のデジタル通貨に対する考えについては下記の通りでも紹介したように慎重で消極的である。

 

講演内容「マネーとデータ」

講演では以下の項目に分けて説明がされた。

  • マネーの機能
  • 情報技術と支払い手段のデジタル化
  • マネーの将来

講演の中で同氏は【マネーは「価値の尺度」「価値の保存」「交換」という機能から、金融・経済の根幹的な存在であるが、これらの機能を支えているのは「信用」である。そのうえで「データ」はだれがどのようにして何を購入したのかという記録による信頼を得ることが可能であり、マネーとデータは今後近いものになっていくだろう】とした。

しかしながら電子データである暗号通貨については、「すでに確立されている中央銀行の信用と競わなければならない」ということ、「信用を得るために取引の検証・莫大なコストがかかる」ということから今後決済手段として広く利用されるハードルが高いとした。また、今現在決済手段としてではなく、投機的な投資の対象となっているのがその裏付けになっているのではないかともした。

 

日銀のデジタル通貨発行

日銀のデジタル通貨発行については4月の講演と同様に「一般の支払い決済に広く使えるようなデジタル通貨を発行する計画は持っておりません」とした。「一般の支払い」としているので銀行間取引の利便性・安全性向上を目的としたデジタル通貨取引などの計画はあるのではないかとみられる。実際に日銀では欧州中央銀行と共同でブロックチェーン・分散型台帳技術についての調査・実験を行っており、「取引や決済の効率化を実現できる可能性がある」と有望な技術として評価している。

 

暗号通貨の評価

「中央銀行の信用と競わなければならない」つまり法定通貨よりも信用されなければ、暗号通貨は決済手段として広く利用されない、というのは当然だろう。しかし逆に考えれば、今ある中央銀行を競合するのではなく、信頼を高めるものとして協力体制となる暗号通貨であれば、広く利用されるようになる、ということではないだろうか。

 

参考:日本銀行「マネーの将来」

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