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金融分野におけるサイバーセキュリティ[2019年にFATF審査を控える日本]

記事のポイント

  • 金融庁のサイバーセキュリティ強化に向けた取り組み
  • 2020年の五輪に向け、「サイバーセキュリティ戦略」の改訂
  • サイバーセキュリティ強化に向けた人材育成
  • 暗号通貨業界

20157月から金融庁が策定・公表し取り組んできた「金融分野のサイバーセキュリティ強化に向けた取り組み方針」が201810月新たに改定された。この改定は急速なデジタル化や2020年の東京オリンピック開催など、環境が大きく変化したことに合わせて行われたものである。

 

セキュリティ強化に向けた取り組み」の改正理由

これまでの取り組みでは以下のものを重点的に推進し強化に努めてきた。しかし金融業を行う企業では、近年の急激なデジタル化に完全に対応することは難しく、どのようなリスクがあるのか、どういった対策が必要であるかの把握・分析が十分でないとして、今回の改訂が行われた。また、デジタル化の問題だけでなく、日本では2020年にオリンピックの開催も控えている。オリンピック開催国では巨額の資金が動き、集まるため犯罪集団などに標的にされやすいという背景もある。

  • 金融機関のサイバーセキュリティ管理体制の強化
  • 情報共有の枠組み実効性向上
  • 金融分野の人材育成強化

 

金融機関の被害

金融機関の「サイバーセキュリティ向上」に対する取り組みは日々関心を高めている。特に北朝鮮のハッカー集団が2014年以降、サイバー攻撃で世界金融機関から約113億円以上を不正に取得していたことが判明してから、金融機関へのセキュリティに不安を覚える方は多い。金融庁でも「セキュリティ強化に向けた取り組み」の中で以下の事件を取り上げている。

  • 2016年 海外の中央銀行における国際的な送金システム(SWIFT)の不正操作による不正送金事案
  • 2017年 世界各国においてランサムウェアに感染する大規模な事案

ただ、現状としては一程度の金融機関はサイバーセキュリティに関しての理解が乏しく、経営層も理解・対策が十分でない。一部の金融機関では対策が整えられているが、そこでも「シナリオで提示された攻撃への対応」に注力しており、幅広い攻撃に対応できる体制ではないとされている。

 

金融庁の対策

金融庁では上記のようにサイバーセキュリティに対する意識・理解向上が先決だとして、経営層への意識改革・サイバーセキュリティ人材の確保が必要だとしている。そのために官民が緊密に連携を図り、関係者間で認識の共有・個別に具体的な改善を図っていくとしている。

 

暗号通貨業界への規制

先日、マネーロンダリングやテロ資金の対策を審査する国際組織である金融活動作業部会(FATF)が暗号通貨・ICO・交換業などに対する世界基準での規制を20196月に発表することが報じられた。FATFは資金洗浄やテロ資金供与に対する対策を定め、監視する機関であることから、暗号通貨の不正利用・悪用を禁じる規制になるとみられている。

 

FATFはこの規制についての説明の中で、暗号通貨の不正利用・犯罪利用防止対策が十分でない国に対して、他国への影響も考え「暗号通貨禁止」を下す場合もあるとしている。日本はこのFATFから顧客管理体制など、資金洗浄やテロ資金への対策が甘いと非難されており2008年に行われた第三次審査では「態勢が整えられていない」とされていた。

 

参考:金融庁「金融分野におけるサイバーセキュリティ強化に向けた取組方針」のアップデートについて

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